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レイ・ダリオ 他1名世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか

レイ・ダリオ著の『世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか』ですね。この本は、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者であるダリオが、過去500年に起きた政治的・経済的な激変を研究し、現在に生きる人々が経験したことのない根本的変化が、将来、発生し得ることを解説するものです

本書は、以下のような構成になっています。
パートIでは、単純化した典型的な帝国の興亡を解説します。ビッグ・サイクルと呼ばれる、お金、信用、債務、内部秩序、外部秩序などの決定要因が、帝国の盛衰にどのように影響するかを説明します。
- パートIIでは、過去500年間に準備通貨国となったオランダ、イギリス、米国について深く掘り下げます。また、中国と人民元のビッグ・サイクルや、米中関係と米中戦争についても1章割きます。
- パートIIIでは、これらすべてが将来にどういう意味を持つかを論じます。ダリオは、米中交代のシグナルはどこを見れば分かるか、過去の類似する時期を学べば、これから起きることに対処できるか、などの問いに答えようとします。

本書の特徴は、著者の豊富なデータと分析に基づく歴史的な視点にあります。ダリオは、過去を学ぶことで、私たちの現在地を理解し、将来発生する変化に対処するための原則を知ることができると考えています。そのため、本書は、歴史に興味のある人や、世界の動向に敏感な人にとって、非常に参考になるでしょう。

一方で、本書の欠点としては、著者の主観や偏見が入り込んでいる可能性があることが挙げられます。ダリオは、自分のモデルや原則に基づいて、歴史を解釈し、将来を予測していますが、それが必ずしも正しいとは限りません。また、著者は、米国の立場から書いているため、他の国や地域の視点が欠けていると感じる読者もいるかもしれません。

総合的に見て、本書は、世界秩序の変化について、歴史的な事実と論理的な分析に基づいて、深く考える機会を提供してくれる本です。しかし、著者の見解に盲目的に従うのではなく、自分の判断と批判的思考を持って読むことが重要です。

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