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キタダヒロヒコ詩歌集 150 無垢


キタダヒロヒコ


うかうかと切りたる傷を舐めました 指からの血は塩の味して


鈍痛がはつきりとゐてはじめのうち傷は視野から隠れてゐしが


なにとなく忌々しきはうかつなる春のはじめの紙の無垢かな




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