マガジンのカバー画像

キタダヒロヒコ詩歌集

196
三重県で詩や短歌、俳句を花びらのように書き散らしてきました。noteマガジンにまとめていきます。ぜひお読みいただけましたら嬉しいです。あなたのどこかに残る言葉がありますように。
運営しているクリエイター

#言葉と写真で作る世界

キタダヒロヒコ詩歌集 41

わたくしが口ひらかねばなかったことになるできごとの中にいるひと    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています🌹

キタダヒロヒコ詩歌集 40

あゝ美作 7階に真っ先に干す 一反木綿 の小指 まず乾く 百たびも見上げる空 を行く鳥に なにか願った 鳥は 拒んだ 霜戸鎖す あをき恩師 の玄関に靴 皆揃ふ 夜の2時かな コメントやサポートをお待ちしています☁️

キタダヒロヒコ詩歌集 38

あんなにも叱ってくれたのにきょうは声さえかけてくれなかったね   キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています🚻🏫

キタダヒロヒコ詩歌集 35

夜半近くともなるとあり得ない出逢ひを期待して床に入る、頭の内部の川がきみょうに水平となりそして一瞬波打つ、浮かんではすぐ忘れさうになる星達を書き留めるため私は死んでしまつた歌をうたふ、ボールペンの謹直なBODYの周囲に月の光がもう渦まいてゐる。 コメントやサポートをお待ちしています🌔

キタダヒロヒコ詩歌集 34

ぐしやぐしやの紙くづになつたボンネット見てゐたときの冷たい雨を 道ばたにゆつくり風をしたためてのりこえませう死にゆくものら ホームラーンの声弓なりに月に届きふたたび月へ打つ四番打者 コメントやサポートをお待ちしています🌔

キタダヒロヒコ詩歌集 32

にせものも神をしんじる にせものもなみだをながす 空をみあげる    キタダヒロヒコ にせものだ、ほんものだ、なんてだれが決めるんだろう。 コメントやサポートをお待ちしています🌆

キタダヒロヒコ詩歌集 31

生きていれば114歳になる私の祖父は、 12歳の年に盲い、77歳で亡くなった。 1908年から1920年までの日本が祖父の見た日本のすべてである。65年間、祖父の脳裏にはどんな残像たちが貼りついていたのだろうか。 大正九年盲ひし祖父のまなうらに大正九年の蝶とゞまれり   キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています🦋

キタダヒロヒコ詩歌集 30

片袖はさやさや垂れて隻腕のひと観月の水辺にありぬ    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています🌖

キタダヒロヒコ詩歌集 28

ポケットにふるき『潮騒』たづさへて監的哨へ君連るる夏   キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています⚓

キタダヒロヒコ詩歌集 29

こういう揺れも自分の中に飼つてゐる。 重力のある世界で生きてゐるのだもの。 キタダヒロヒコ 心穏やかにゐたのに 折角のことなのに そのせゐで むかむかして来るのだ ながく穏やかでゐると なにもかもこはしたくなるのだ とつぷりと夕暮れて ささくれた気持ちで着飾り 青鷺のやうな花を挿す 今日いちばん綺麗な花だからな 街よひたすら淋しくあれ いつまでも似つかはしいおれでゐよう 美しいものよとこしへに空虚であれ こんなおれが いつでも愛しやすいやうに コメントやサポ

キタダヒロヒコ詩歌集 27

水になりて死にをる水母そこここにゐて再生のこと惟(おも)ふ春   キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています🚰

キタダヒロヒコ詩歌集 26 秋に(習作)

秋に(習作)  キタダヒロヒコ 抉られた 矩形 の 硬い 器 の四隅 を 充たす 雨季 のあきらめ と同義 の 安堵 コメントやサポートをお待ちしています🌾

キタダヒロヒコ詩歌集 25

十代の日記にそつとしまつてある誤謬、若葉のやうにきらきら   キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています🌱 誤謬=ごびゅう

キタダヒロヒコ詩歌集 22

スカートの膝を抱えて「僕」と言いしひとに寺山を教えられにき    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています🍂