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キタダヒロヒコ詩歌集

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三重県で詩や短歌、俳句を花びらのように書き散らしてきました。noteマガジンにまとめていきます。ぜひお読みいただけましたら嬉しいです。あなたのどこかに残る言葉がありますように。
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2022年10月の記事一覧

キタダヒロヒコ詩歌集 53

私たちひとりひとりのからだはみな 過去の確実な集積として存在してる 私たちひとりひとりのからだはみな 未来にたよりなくひらかれてゐる 「一度あったことは忘れないものさ。 思い出せないだけで。」      ~『千と千尋の神隠し』 写真:Robert Mapplethorpeより コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 52

とむらへば灰あをぞらにながれゐて光といふことばが口を衝く     キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 51

みずからの鋭(と)さをぎらぎら縊(くび)りつつ真昼のレジに立つアルバイト    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 50

どんな供物を待っているのか見はるかすわれの内なる王の非在は     キタダヒロヒコ

キタダヒロヒコ詩歌集 49

打たれ弱いわれにはげしきFをせよ しのつく雨が砕く天窓    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 48

  我が師に やや強き握力をもていとけなきものの卵にKとしるせり     キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 47

くろがねのみなとの橋の欄干を震はすBに過ぎられにけり    キタダヒロヒコ 過ぎられ=よぎられ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 46

並走車がぐい、とスピード上げてくる われもあきらめつつ加速する    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 45

見せ消ちの詩句たぶんまだただよつてゐる、机辺をあまく醸して    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 44

正当な理由にはつゆあらねども動機の「孤独」を首肯ひてゐる 白日のことをおもヘば、耐ヘられる 窓ぞ明るき、凍てたるままに コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 43

うつつでも夢でもあらぬわたくしへ投網のやうな影を待ちゐき    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 42

とりかへしつくことつかぬこといくつしたつけきみと皮を剥きあふ    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 41

わたくしが口ひらかねばなかったことになるできごとの中にいるひと    キタダヒロヒコ コメントやサポートをお待ちしています🌹

キタダヒロヒコ詩歌集 40

あゝ美作 7階に真っ先に干す 一反木綿 の小指 まず乾く 百たびも見上げる空 を行く鳥に なにか願った 鳥は 拒んだ 霜戸鎖す あをき恩師 の玄関に靴 皆揃ふ 夜の2時かな コメントやサポートをお待ちしています☁️