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キタダ、詩を読む。

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書くことと読むことは表裏一体。
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記事一覧

キタダ、詩を読む。 …Vol.16 実存と射干の花

岡井隆さんがご存命だったころの中日新聞のスクラップから。 【短歌二首】 まずは岡井隆「け…

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キタダ、詩を読む。…VOL.15 刺戟的な作品群

2013年の2月に中日新聞朝刊の文化芸術欄で読んだ記事。 「俳句は次の四つに分類されると思う…

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キタダ、詩を読む。…VOL.13 11年前のきょう

11年前のきょう、立ち寄った津の書店でいいなと思った句と歌。 鬼やらひ私といふ鬼打たず 小…

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キタダ、詩を読む。…VOL.12 100年の時を隔てて ~雪の短歌2首~

今年も、冬のさなかとなっています。 中村草田男の名句「降る雪や明治は遠くなりにけり」(『長…

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キタダ、詩を読む。…VOL.11 自作について②

あまりしたことがないことをします。 自作の句について少し書きますね。 キタダヒロヒコ「経…

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詩的履歴書  書くことは生きること

13歳で萩原朔太郎と出会ってしまい詩を書き始める。 翌年、中原中也と出会う。 この頃から詩の…

キタダ、詩を読む。…VOL.10 『同じ白さで雪は降りくる』(中畑智江歌集)

2014年11月末に書いた文章です。 ********************* ことばが発せられるとき、そのことばは記号になって事物をはがれていってしまう。 何かを話したり、ものを書いたり、歌を詠んだりすることが (私自身にとってだが)いつもほのかに悲しいことなのは・・・ 永遠に届かないというあきらめをはじめから背負って、 とても宙ぶらりんな感じがしてしまうのは、そのためです。 そこをすごく受け止めてくれる歌を書く人に出会った。 事物をはがれて浮遊した言葉が、すこし傷

11年前、教え子Sとの往復引用から

いまから11年前、かつての教え子Sと、「自分が面白いと思った文章からの引用」をやりとりして…

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キタダ、詩を読む。…VOL.9 自作について①

  美作のはてうつくしく脊(せ)は撓(たわ)み芒(すすき)ひとすぢほどきゆく風  キタダヒロヒ…

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キタダ、詩を読む。…VOL.8 『物の味方』(フランシス・ポンジュ/阿部弘一訳)

2013年に書いた文章です。 ********************* けさの諏訪哲史氏「…

キタダ、詩を読む。…VOL.7 キタダ、詩論を読む。『戦後詩』(寺山修司)

2014年に書いた文章です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ …

キタダ、詩を読む。…VOL.6 キタダ、書評集を読む。『木星とシャーベット』(丸谷才…

2012年に書いた文章です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ …

キタダ、詩を読む。…VOL.5 キタダ、古典を読む。「扇の的」(平家物語より)

【扇の的で有名な那須与一は、義経の命令を断っていた!!】 源平の戦い・屋島の合戦(1185年2月…

キタダ、詩を読む。…VOL.4 身にありて遠きむらぎも

岩岡詩帆さんの歌。「未来」2015年10月号掲載の一連より。 自分の肉体とか精神とか、 存在が「ここにある」はずなのにどこか遠いものに感じてしまう、 そんな気分を感じた歌群だった。 目の前で見ている風景がどこか生(なま)の風景でないような、 みょうに距離感のある感じ。 (疲れているときとか体調の良くないときに私はよくそうなってしまう) 一連の終末の二首が、私にとって、より感受しやすかった。   身にありてけふ遠からむむらぎもの心に梅雨の灯を眺めをり 「遠からむ」の「む