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大人の自由研究!暇を持て余した極貧アラサーの昔話! 自宅開墾計画編

緊急事態宣言により時短営業、不要不急の外出の自粛などなど…。仕方のない事ではあるけれど、沢山の人が暇をもて余すことになった3年前のあの日。
なにかないかと、暇つぶしを探す日々は辛いかったでしょう。

 かくいう僕もその一人。時間だけを浪費する1ヶ月…そんな生活を想像するだけで嫌気を越えて、吐き気すら覚えそうでした。そんな時、友人からあることを聞いたんです。豆苗を育てられると言うことを。


家庭菜園

 正直な所、家庭菜園をするメリットなんて僕には想像がつきませんでしたし、例え時間があってもめんどくさくてやらないと思っていました。

 記憶を掘り起こすと借金不倫問題で不仲になる前の父母は、暇をもて余してプチトマトなどを作っていました。

「見て!これめちゃ可愛くない?!」

なんて見せつけながら指で転がし可愛がった後、無表情で口に放り込んで無慈悲に噛み潰していたものです。もっと可愛がってやれよと幼心に思ったのを覚えています。


 しかしてここまで感情の振れ幅が大きいのなら、やってもいいのかなと、ほんとカメラのフラッシュくらい一瞬思いますが、やはりめんどくさくてやる気が起きない…


 ですが豆苗になるとこれはかなり楽そうだと言うのがわかりました。

  • 安い。玉出で88円くらいで買える

  • 栽培が簡単

  • 成果が早い

  • なんだかんだ、料理に使える

上記以外あげるものがないのですごいシンプル。暇潰し程度にはいいんじゃないかと思ったわけですな。


買い出し


謎に玉出グッズが流行っていたのを思い出す

正直会社をズル休みして登山していたので体力はなかったのですが、気力を振り絞って地元近辺の玉出に買い出しへ。

 玉出の看板を見ると一人暮らしを思い出してしまいます。

惣菜パンがカビていたり、玉出で一番高い肉がゴムみたいに固かったり、レジ通した後に賞味期限が切れたり。

懐かしきかな。若かりし頃。


 思い出が走馬灯のように駆け巡っていると、目の前にお目当ての品が現れました。

玉出のいい所は悪い品が手前に来る所
いい品を探しすぎて手前には傷ん出そうなものばかり

ちゃんと豆苗。

しかも安い。88円で二度食べられるのならやはりコスパ的には最強なんでは。マジックの太い方で書いた文字が読みづらいというクレームはソッと心にしまって、横並びに陳列されている豆類へ。

もやしも種類によりますが一番安くて29円。ここまでくると品質の信頼に関わってくる気がしますが、とりあえずもやしと豆苗を購入。




Let's Begin!!

早速持ち帰って、開墾しようと思うと開墾する場所がない事に気が付きました。部屋の2割を占める棚の一室を急遽掃除。

ついでに部屋の掃除も行ってなんだかんだとここまで三時間はかかりました。「はぁ~つかれたぁ。」と一息つくと、ここでふと思い返す。


 現在お金を払った金額はしめて約120円。時計の針は21時を指してました。いつもなら、おおよそ仕事をしているか外に出かけている。

 外に出てしまえばコンビニ、スタバ、カラオケにパチンコ、緊急事態宣言がなければ呑みにでかけていたであろうこの時間。

最低でも500円を使って暇を潰していたのが、自販機の缶コーヒー一本分にも満たない豆苗でうきうきで帰り、尚且つ部屋の掃除をする意欲まで沸いたと考えたらかなりの費用対効果と言えるのではと。

 おお、案外経済的に優しい行動だと自分自身に感心した。


最初の壁

 部屋で一息ついてから、ダイニングの机にレジ袋から豆苗とモヤシを取り出していると。


あんた、なにしてんの?


 後ろから鋭い声が。振り返ると寝起きの母親が立っていました。かなり機嫌が悪い状態で。ここで僕は真実を伝えられなかったのです。

 と言うのも上記で話した家庭菜園のプチトマトでは思わぬ結末がありました。


 ベランダでプチトマトを夢中で収穫していた母はある日、一つ手触りが違うものがあったと言っていました。

ですが時既に遅し。もう握ってちぎった後でした。

 母は腹を括って手のひらを恐る恐る見やると、赤く小さな可愛いプチトマトの姿はなく、そこにいたのはカマキリの卵。なんとも不運、カマキリの方が。

 それ以降、家庭菜園は悪い文明とされて二度と陽の目を見ることはなくなり、弟の持ち帰ったアサガオですら用済みになると焼却処分されていました。徹底した菜園処分制度が我が家の鉄則だったのです。


上記は2つの比較画像ですが、見ての通り全然違う。普通触ったらわかるやろ。



とにもかくにも最悪の状況で、母は寝起き+禁を犯したと感じて僕にカチキレです。

 眉間の皺に三途の川ができ、僕を流す気満々の目。かなり怖い。控えめに言ってグリズリーの威嚇。

どういったものかと無言を通す脳裏には、焼却処分される豆苗たちが嘆いています。始まってもいないのに終わるとか…名前もジョセフィ~ヌと決めていたのに…


まぁなんでもいいけど。」


それだけ言って巣にお戻りになられました。本当に冷や汗ものだった。

 これ以上のアクションは、これからの華々しい開墾生活に支障を来す恐れがあるため、早々に野菜室に放り込みました。すると何処からか呪詛が。


「見つけたら燃やす。」


宣戦布告か確定申告か。怖すぎて言葉を返すことができずに今日の段取りが終わりました。


 一先ず先取点は取れずとも、やることが決まったのは飽き性にしてはいい結果なのではと納得。 

これからの目標は

  1. 腐らず育てること

  2. 母親に見つからないこと

この2つ。いきなり親指さがしみたいになりましたが、なによりも第一世代をちゃんと育てねば!


頑張れジョセフフィ~ヌ!

負けるなジョセフィ~ヌ!!

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