新型コロナ、ナース奮闘記#「泊めてください!」

 当然のことですが、新型コロナウィルスの宿泊療養施設には、新型コロナウィルスの陽性者の方しか入所することができません。

 ですが、「泊めてください!」と陽性者ではない方から問い合わせのお電話がかかることは珍しくありません。

 ホテルとしての営業をしてはいないので予約サイトなどからの予約は受け付けていませんが、電話をかけてこられる方、直接ホテルの入ってこようとする方も・・・ 一般の方は入れないように玄関の自動ドアは施錠されているのに、動かない自動ドアをこじ開けようとする方もいます。

 人気グループの野外ライブが近くであった時のこと。
 近辺のホテルはどこも満室。しかも24時間営業のネットカフェも近くに無いらしく・・・

 「泊めてもらうことはできませんか?」とのお電話でのお問い合わせにスタッフBさんが「こちらは新型コロナウィルスの宿泊療養施設なので...」
と返答すると、
女性の声で「いいです!。大丈夫です!」
     「ワクチン打ってますから!」と明るいお返事が・・・

Bさん「感染症法に基づく療養施設ですので・・・。感染していない方はお泊めすることはできないんです」

女性「どうしてもダメですか???」
  「ホテルどこも空いてないんです・・・」

 なんでも、近くで人気グループの野外ライブがあり、近隣ホテルやネットカフェはどこも満室、とのこと。

 何とかしてあげたい気持ちはあるのですが、残念ながら、Bさんは丁重にお断りしていました。

 真夏にホームレスが
「『ここでご飯もらえる』って聞いたんだけど?」と玄関に座り込んでいたことも。福祉施設に連絡を取り、対応してもらうことなりましたが。

 コロナに罹っていなくても、宿泊療養施設に泊まりたいという方が多く、
対応に追われていたスタッフさんでした。

#創作大賞2023 #エッセイ部門

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?