第一章 第六話 華麗な舞で挑発する男
「イストリア王国は確か南東だったよな」彼はサツキに尋ねた。
「はい。最南東ですので、急いでも半月はかかるかと」
「サツキも一緒にきてくれ。兄のアツキにも来るよう伝えてくれ。
何事も無いとは思うが、一応レガにはこの地に残ってもらうとしよう」
「イストリアのお姫さんは何歳になるんだ?」
「この年で11歳になられます」サツキは答えた。
「それなら尚更深く勘繰る奴らが出そうだな。
縁談が決まったと思う者も出てくるだろう。
俺と四歳差ならそのお姫さんが今の俺くらいになれば、
丁