石川 小六

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    中立と偏見の間に揺れながら書いています。

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感想より偏見 瀬尾まいこと村上春樹の類似性について 2

前回からの続きからだが、理由の二つ目は「主人公の鈍感さ」だ。 ここでいう「鈍感さ」は愚かさとかではなく、本当は感じるところがあるのにそれをうまく処理できないような、うまくセンサーが働いていないような鈍感さだ。 「そしてバトンは渡された」の主人公、優子は親が転々と変わっていき、まるでバトンのように手渡されていく。 バトンには様々な解釈があるかもしれないが、表紙を参考にすればオレンジの棒に幼少期の彼女と思われるであろう頭が乗っているのは優子がバトンとなっているからというのは

    • 感想より偏見 瀬尾まいこと村上春樹の類似性について

      最近、瀬尾まいこの「そしてバトンは渡された」という小説を読んだ。 自分の食指が動くジャンルではないものだが、たまには新しいジャンルとして読んでみようと思ったのである。 (ラインで会話していた女性が瀬尾まいこが好きだと言ったから読んだわけでは決して、決してない) シンプルに一口で感想を言うならば「女性的な村上春樹」と言った感じだろうか。 もちろん、このようなワードに少なからず批判的な印象を受ける方も存在するかもしれないし、実際、批判的な目線が少なからずあるのは事実かもしれ

    感想より偏見 瀬尾まいこと村上春樹の類似性について 2

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