神様からの贈り物

「なんで私なんだろう。」
そう思うことが最近増えたような気がする。

私は犯罪をしたことはない。いじめをしたこともない。酷い親不孝もしていないはずだし、誰かから物凄く憎まれているということもないと思う。
ではなぜ80億人もの人が存在するこの世界で、私が難病者になったのか。

それはきっと「神様からの贈り物」であるからだと思う。

前世か、まだ私が産まれる前か、母のお腹の中にいるときか、産まれる瞬間か、産まれてからか、それは分からない。
分からないけれど、ある日、私に死の危機が迫ったとき、神様は助けてくれたんだ。その傷跡として、私に「病気」というものが残った。

私が生きるために神様は救ってくれた。
私が愛されるために神様は救ってくれた。
私が愛すために神様は救ってくれた。
私が笑うために神様は救ってくれた。

生きるという過程に小さな傷がついただけだ。
なんてことないと思った。

もしも神様が救ってくれなければ、家族や友達、愛する人にさえ会うことが出来なかった。
もしも神様が救ってくれなければ、愛する人へ「ありがとう」「愛してる」それさえも言うことが出来なかった。
もしも神様が救ってくれなければ、笑うことも泣くことも喜ぶことも怒ることも、それさえも出来なかった。
もしも神様が救ってくれなければ、この世界で80億人のうちの1人になることさえ出来なかった。

例え傷跡があったとしても、私はどれだけの幸せを手にしているのか。
もうこれ以上を望む幸せなどないだろう。

今、この瞬間、私が、あなたが、ここに存在していること、それは奇跡である。

傷跡を残して生きている私たちはもっともっと生きていることが奇跡なのかもしれない。

だから、そう考えればこんな小さな小さな傷なんてこれっぽっちもなくて、でももしも辛いと思ったときには神様がくれた涙を流せばいい。泣き止んだら神様がくれた笑顔で笑えばいい。

決して当たり前なんかじゃない「生きる」ということ。

神様が与えてくれた沢山の大切なこと。思い出。

よし、明日神社に行こう。


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