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血の代償

僕は雨の日を除き、ほぼ毎日リハビリを兼ねて近所を歩きます。時間はだいたい夕方、暑さが少し和らいでからスタートします。
しかし、暑さと引き換えに奴らがやってきます!執拗に僕の身体に強制的献血を迫るハンター、そう蚊です!
たかが蚊と侮るなかれ!僕は、こいつらが非常に苦手です!

散歩中の僕は、杖をついている状態です。そして非常に足元に集中して歩いています。そんな状態ですから、後ろから声をかけられたり、車やバイクの音がしたりしてビックリする事が良くあります。ちなみに、ビックリすると一気に身体が緊張状態になり、麻痺側の身体がブルブル震えだします!下校中の近所の小学生が突然「こんにちは~!」と挨拶してきたのに驚いてブルブルしてしまったことがあります!それ以来、その子は僕を見かけると、走って逃げるようになりました笑
近所の小学生は、こうして大人の階段を登ってくれたので、それ以降被害はありませんが、蚊は違います!

奴らは、決まって公園の脇を通りすぎるとき、プーンと嫌な音を立てて寄ってきます!そして顔の周りや腕、足の服で纏っていない部分を狙ってチューチューしてきます!ただ、チューチューするだけならまだしも、最後に毒まで注入していきます!まったく迷惑です!
皆さんならこういうときどうしますか?
自分の顔や身体にプーンって蚊が止まったら?
迷わずパチンッ!ですよね
考えるより先に張り手一閃✨️
Gにはフリーズする方でも蚊には容赦ないという方がほとんどだと思います。

しかし、散歩中の僕は些か事情が違います。
繰返しますが、僕は杖歩行しています。左手は杖で塞がれます。右手は麻痺があるため、自由には動かせません。そのため蚊を追い払うためには、一度立ち止まり、杖を右手に持ち替えて、左手で払わないといけません。ただ、気を付けないと蚊を払う勢いでバランスを崩し、転倒する可能性があります!実際に転びかけた事が数回あるので今後も注意が必要です。
そして、一番困るのが、左手に蚊が止まったときです!僕のポンコツな右手では、動きがスローすぎて蚊を払っても簡単に逃げられたり、既に血を吸われた後だったりします。散歩に出る度に左腕に赤い発疹が増える日々。完全に蚊にバカにされています。
どうにかして蚊に一矢報いたい!蚊に血を吸われるのは仕方ない!しかし、タダでとはいかない!見てろよぉ!蚊!

ある考えを秘めて、僕は夕方いつものように散歩に出かけました。
坂道を登り見馴れた公園の横に差し掛かった時、プーン!あの音が近づいてきました。しばらくしてあの音の主はピタッと僕の左腕に止まりました!そのうち、そいつは美味しそうに僕の血液をチューチューし始めました。ここまでは、いつもと同じです。しかし今日の僕はひと味違うのです。ここで左腕に血管が浮き出るほどグッと力を入れます。すると、チューチューしていたハンターは突き刺したストローが抜けなくなります。そこに僕のポンコツ右手がゆっくりとペチン!します。僕の左腕には赤黒いシミが残ります!まさに肉を切らせて骨を断つ戦法です!
この恐ろしい戦法に、公園中の蚊達は恐れおののいたことでしょう!まさにポンコツのリベンジ成功です✨️
明日からも僕の左腕を狙う蚊を血祭りにあげてやろうと思います!

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