「嘔吐」J.P.サルトル著
「嘔吐」J.P.サルトル著
サルトルのこの哲学的文学は彼自身の世界観が如実に書かれている。 実存主義とは「無意味が意味である」が人生の意味とされている。 この世界観の元祖的人物がニーチェである。 通常の思考による考察の限界は虚無に至る。 虚無とは相対的意識であり、あらゆる事物を偏見無く観るという一視点にすぎぬ。それが世界観と化せば「虚無的世界観」となる。 物質界の足場が消失すれば生きる意味や方向性も見出すことは出来ない。 「嘔吐」に書かれているのはあらゆるものが得体のしれぬ