喫煙者だった話

ある意味「男性に教わった」

大抵の場合「意外」と言われるのだが、ちょっと前まで喫煙者だった。なんで吸い始めたかと言うと、大学生の頃に私の別人格の男性が「吸ってみたい」とか言ったので仕方ないなぁと買い与えてみたのがきっかけだ。

最初のうちは彼が煙草を吸い終えた直後に代わると口内が煙たくてしんどかったのを覚えている。確か当時はウィンストンの白を吸っていたのだが「バニラ香料使用」という文面に対して「全然バニラじゃない…」と嘆いていた記憶がある。
しかし1ヶ月も彼が吸っていると次第に煙たさには慣れてきた。そして、半年後くらいには私も引きずられる形で吸うようになってしまった。まぁこんな経緯なのだか素直に「男性の影響で吸うようになった」と言うと「ピュアな子が悪い男に煙草教えられたんだな」みたいな扱いを受けてしまい、何とも言えない気分になるので、毎度理由を聞かれると適当なことを言ってしまっていた。(よりによってウィンストンだったせいで年上の男性から教わった感があったらしい。ウィンストン吸うのはおじさんに限らないだろうにね)
嘘をつきたいわけではないけれど、面倒な事態を避けるにはやむを得ないのである。悲しいことだ。

好きだった銘柄

吸っていたのは初めはウィンストン。これは私がバニラが好きだからというので兄が何となく選んだらしい。私も吸えるようになった頃に、変わり種の煙草が好きな人と知り合って、甘い煙草…いや、正確にはリトルシガーとかいうのも含むのだけれど、香りが甘いものを吸うようになった。例えばブラックデビルのチョコレートとか、チャップマンのバニラとか、アークロイヤルのバニラクリーム(これは手巻き煙草)とか、ジャルムのジャスミンティーとか。懐かしいな…。ちなみに吸い口が甘いとなお嬉しかった。とはいえ、これらはその香りゆえに喫煙所で煙たがられるリスクがあったので、日常的に吸うのはメビウスオプションパープルの1mgだった。そして、さっきあげた甘い煙草は重くて吸うとクラクラするからと家でゆっくり吸っていた。

禁煙してる日々

そういう感じで喫煙ライフを楽しんでいたのだが、実家に戻ったのに伴い「簡単には近隣の店で甘い煙草が買えない」という問題が出てきた。そしてあまり煙草を美味しいと思えなくなってきた。そもそも重い煙草は吸えなかったのだから当然かもしれないけれど。更に金額がかさんで仕方ない。そして(今となっては意味が無いけれど)彼女と暮らして猫を飼うなら猫に良くない。…これは辞めた方がいいな。と決意した。

分かりやすく昨年のクリスマスから初めて、今まで続いている。よく続いてるねとか吸いたくならないの？とかたまに聞かれるが、私はXデーから1本も吸わないという方法を取ったので、これが功を奏したのだと思う。まぁ今も稀に吸いたくなることもあるけれど、ちょっと我慢すれば収まるので何とかなる。今考えると、なかなか贅沢な楽しみをしていたなぁという思い出だった。