見出し画像

0102;義肢装具士にあったらいいモノ?

ども、珍しく子どもが一緒に寝てくれた、佑吉です。

とある知り合いが、学生向けに講演会を行ったそうです。
その時に、義肢装具士になるには何が必要ですか?
という質問を受けたそうです。

その記事を見た時に、同じ仕事をする人間として
ふと自分でも考えてみました。

妄想力、操作力、体力
かな?と思いました。

私たち、義肢装具士は、義足や装具を作るだけでなく
というか作らなくても
患者さんやユーザーさんに触れることができる資格になります。
そのため、主に病院で仕事をすることが多く
場合によっては、製作を全くしない義肢装具士というのも
珍しくはありません。

これは、患者さんやユーザーさんそれぞれに
オーダーメイドで義肢装具を製作するため
基本的に手作業でする作業が多くなり
職人のように、それぞれの仕事を極めた人の方が
効率が良く、キレイで良いものが出来上がる場合が多いからです。
ただし、患者さんやユーザーさんにキチンとフィッティングさせるためには
骨の位置や筋肉の状態、関節の動きなどの他にも
疾患の事、使う場面、リハビリの事などなど
様々なことを加味して製作していかなければいけません。

しかし、製作をしてくれる職人さんたちには
これらの情報を実際の患者さんやユーザーさんから得ることは難しく
義肢装具士から伝達してもらって作ることになります。
そのため、義肢装具士がキチンと義肢装具の最終形態を描き
使用する場面までシミュレーションして方を取り
再作者まで情報を取捨選択整理して伝達する必要があります。
この時に一番重要になるのが
妄想力、なのです。

機能を満たし、ニーズを満たし
使いやすさを満たし、製作難易度を加味し
費用面を考慮し、耐久度を満たし
様々なものを総合的に判断したうえで
作っていく事が必要なのです。

この義肢装具を製作するときに必要となるのが
操作力、です。

オーダーメイドで製作するため
一つとして同じものはありません。
基本的に健康保険で治療用装具を製作する場合
一つの疾患の処方に対し、一つしか耐応年数以内では
製作することはできません。
そのため、自費で同じものを作るような事をしなければ
基本的には同じものを作ることはありません。

そのため、一つ一つのものに対して
対応するように道具を動かし、体を動かし
見えないところも手探りで製作することもあります。
また、型取りなどでも見えないところで手を操作し、型を取っていきます。
これも結構な練習と訓練が必要で
一種の職人技の域にまで達している人もいます。

このように道具やそれを動かす体を操作する力
操作力、が大切なのです。

そして体力。
これはまぁおまけですかね?
義肢装具の製作所は、基本的に病院以外のところにあり
義肢装具士は何件もの病院を担当し
日々走り回っています。
この病院が、意外と遠距離の病院に出向くこともあり
そういったところの担当になった場合
少し体力が必要になることもあります。

また、ケガや病気は基本的には待ってくれません。
急遽仕事が忙しくなることもありますし
これからの時期のように寒いくなるにつれて
関節痛などの症状に悩まされる人や
もっと寒くなると、地面が凍って滑ってこけて圧迫骨折
逆に暑い時期のビーチバレーや運動会シーズンでのアキレス腱損傷などなど
シーズンによって疾患の種類や忙しさも変わってきます。
また、学生の長期休みの時期は
特発性側弯症のどの疾患に対する装具が増えたりもします。

そして、この隙間を縫うように
厚生用装具や義肢の製作が入ってくるのです。
この方たちも、装具や義肢がないと生活がままならない方々しかいません。
そのため、使えるギリギリまで使ってしまう事が多くなってしまい
耐応年数を超えて、壊れる直前や壊れて来られることが多いため
早く修理、製作が必要になるのです。

更に、この間に自分のやりたい事
研究や開発、勉強、セミナー、学会、などをねじ込んでいくので
意外と体力が一番必要になるのかもしれません。

こんな風に自分の仕事を言語化してみると
意外と色々やってたんだなぁ、と改めて思ったりします。
忙しいとは言いませんが、暇な仕事でもない、充実した仕事です。

もし、これを読んでやってみたい!と思われる方がいましたら
妄想力、操作力、体力、を磨いておくといいかもしれません。

ではでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?