歯の移植(自家歯牙移植)とインプラント(仮)

歯の移植というのは昔からある方法なのですが、あまり一般的な治療法ではなく
耳にした事がない方が多いかもしれません。

ここでは簡単に、
・歯の移植とはどんな方法なのか?
・どんな場合に適応になるのか?
・インプラント治療との違いは?

についてご説明します。

歯を失ったらどんな選択肢があるかはこちらを参考にしてください。


イラスト挿入



具体例として10代の若い患者さんの歯が割れてしまったケースを提示します。

拡大写真(破折線が確認できる)

スポーツ時の強い衝撃で上下の歯が強く噛み込んでしまったらしく
残念ながら歯が割れてしまいました。流石に真っ二つに割れてしまった歯は誰も治すことができません。

通常であれば抜歯をしてそのままになる事が多いですが、幸いすぐ後ろに親知らずが出てきそうな状態でした。


向かって左側を参照
左側;抜歯前                           右側;移植後数ヶ月

矯正をして引っ張ってくるというやり方もありますが、今回は歯の根がまだ未完成だったこともあり、歯根の成長を期待して「歯の移植」をすることにしました。
(歯根の成長には条件がありますがここでは割愛します)

ではレントゲンを見てみましょう。

左上→右上→左下→右下の順

「歯の移植」というのはとてもダイナミックな治癒を見せてくれるとても素晴らしい治療です。段々と歯の周囲の骨が再生してきているのがお分かりでしょうか?
右上のレントゲンは移植をした直後で左下、右下と経過していくにつれて
歯の根の成長や周囲の黒い像が無くなり骨の密度が上がってきています。

10代〜20代前半の方であればこのような治癒を見せてくれますが
ほとんどの場合は親知らずの歯根が完成した状態で行う事が多いです。

分かりやすい例をもう少しだけ提示してみます。
30代,60代の方に行った「歯の移植」の例になります。

例)30代・非喫煙者
 歯が割れてボロボロになってしまい奥の親知らずを移植したケース

移植前                       移植後

例)60代・非喫煙者・重度の歯周病

移植前                       移植後

このように「歯の移植」は

・奥歯を失ってしまい、親知らずが余っている場合
・タバコを吸っていない方
・歯周病の治療をする事ができる場合

これらをクリアしていればほとんどの方が適応になります。
しかし、親知らずのサイズが合わないなどの理由で困難となる場合は
他の選択肢の方が良いこともあります。

ではもう一方の「インプラント」について簡単に説明していきます。



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