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第五回 転職のヤル気が出ない人は、何も考えずに10人のエージェントに会いましょう。

おはようございます。お待たせしました。お待たせしすぎてしまったかもしれません。ムラニシではありません、ヨウさんです(でも全裸監督は見ていない)。

俺はですね、お休みを頂いていたあいだに軽井沢に行っていました。紅葉がバッチリでね。それも葉っぱが黄色から紅色に移り変わっていくグラデーション、いやトランスフォーメーションですね、一枚の葉のなかに表現されていたりしまして、すごく印象的でしたね。

あとはジョン・レノン……彼って息子が生まれてから音楽活動をストップさせて主夫をやっていたんですけど、その頃に毎年のように軽井沢に行ってたらしいんですよ。俺、こう見えて、中学のときにビートルズが好きでしてね。ゆかりの地を自転車でまわったりするのは最高でした。軽井沢で聴いていたのはこの曲です。

ここ数年ですが、友人が都内から群馬に引っ越した影響で、北関東の小旅行に行く機会に恵まれるんですね。草津とか日光とか。彼が提案してそういう流れをつくってくれる。俺ら夫妻はそれに乗っかる。そこで得られる他にない体験がある。流れをつくってもらわないとなかなか行かない場所、経験できないことがある。とても有難いことです。

そうです。すべては「流れ」なんです。グルーブ感がすべてを支配します。よきグルーブ感は人生を幸せにします。人を楽しくさせます。なにかが動いているとき、蠢いているとき、人はウキウキしてしまうものなんです。

でね、今回は「転職をなんとなく考えてるけど、ダルーッ」って人のための講義です。自分で決めてバッチリ転職活動を進められる人なんて読者のターゲットにしてませんから。転職めんどくさいけど、ちょっとやってみるか、とか。何から手をつけて良いかわかんねーんだよ。そういう人を対象にこの連載をやってますから。

結論から申しますと、とりあえず10人のエージェントに会ってください。それだけです。

転職活動は準備が多いです。職務経歴書を作り込んで、面接のネタを準備して、日程調整をしながら面接を勝ち進んで行って、面接に通ったり落ちたり、手持ちの面接の数が心許なくなったらまた志望先を補充して。めんどくさいんですよ。

準備は大事ですよ。めちゃくちゃ大事。なんだけど、どっかで見切りをつけて「とにかく転職活動の大きな流れ」を先につくってしまって、それに乗っからないといつまでも状況が進まないわけですよ。そこでエージェントなんですよ。

彼らはビジネスモデルが「オファー(採用確定)時の年収の何割かを企業からキャッシュバックしてもらう」という形になっています。途中のフォローは一銭にもならない。とにかく受かりそうなところにドンドン受けさせて、なんとか内定を取らせようとしてきます。紹介できそうなところをカードにして、グイグイ来ます。

これがですねー。なかなか良いんですよ。人はめんどくさいと保留しますからね。どんどんアポの日程を入れてきて、先に進めよう、先に進めようとしてきます。だって進めないと彼らは一銭にもならないんだから。

でね、エージェントはどんどん活用してください。彼らのビジネスモデルを考えると分かるんだけど、「なるべく高い年収になるように紹介しよう」としてくれます。基本的に我々の利害と背反しないんですよ。大体、提示してくるスタイルは「手堅く受かりそうなところ」と「背伸びすれば届きそうなところ」の二段構えですね。

そして彼らも、絶賛ワリキリ・スタイルです。転職支援って気の毒になってしまうんだけど、親切にフォローしたからと言って成果につながらないんですよ。その人の市場価値が厳然と存在しているし、掛け持ちでエージェントに登録している人が当たり前だし、先に内定が決まってしまうと良いところまでいってもオジャンになっちゃう。なので、それなりに経験が長い人は割り切って我々に接してきます。

なので、我々も割り切ってエージェントに接していきましょう。二股、三股ではヌルい。十股を目指すのです。俺たちはドンファンです。カサノヴァです。世之助にならねばなりません。好色一代求職者です。

というのも、それくらいのエージェントに接しないと見えないものがあるんです。

ひとつはエージェントの手駒です。大手の転職エージェントは企業が公募している枠に対して、求職者をマッチングさせるのが仕事です。もはやAIも活用されていると聞きます。つまりはひとりのエージェントさん、ひとつのエージェント企業にこだわる理由は皆無です。

そしてぜひともみなさんに付き合っていただきたい転職エージェントというのは、そういう複数の企業に対して薄く広く付き合っている人ではなく、特定の企業の人事部と深くコネクションを持っているエージェントなんです。彼らはその企業とズブズブです。「こんなポジションの募集があったんだ?!」というのを提示してくれます。そして、彼らが担当しているのは一つか二つの企業だけです。

つまり、そういう人たちと付き合いながら同時進行でいくつかの企業を受けようとすると、必然的に複数のエージェントに関与することになっていきます。マジメにやってたら、二股、三股なんて一瞬ですよ。


ふたつめに、転職経験がない人にとってはエージェントが前哨戦になるからです。彼らはプロとしてものすごい数の職務経歴書と人に接しています。感覚値である程度の精度で合否まで分かっちゃうレベルでしょう。量は質に転化しますから。

いえ、もう少し正確にいえば彼らは相対している求職者が多すぎて、細かく職務経歴書を見れていないでしょう。俺はもうちょっと添削して欲しかったよ。誰もやってくれないんだもん。

ただ、少なくとも目の前に現れた奴が、どれくらい出来そうな奴か査定はできると思います。そして出来る人の話し方、そうでない人の話し方についても、ジャッジは出来ます。もう持ってるデータベースが普通とはちがいますから。

で、あの人たちは仲介のプロであり、採用のプロではありません。よって、深く突っ込んでいくと企業が求める人物像とか、面接で見ているポイントなんかは解像度が低い。その場にいないから当たり前です。あの人たちの仕事ではないからです。

とはいえ転職エージェントにすら舐められるクオリティの職務経歴書、キャリアのエピソードでは、企業の面接で憤死が見えています。そういった意味で、自分のプレゼンテーションを最低限の質として高める場にうってつけなのです。

特に転職活動をしたことがない人は、「転職市場」という独特の文脈のなかで、どのように見せれば短時間でウケるのか?という差し込み方。どのようなことを言っちゃダメなのか?と言うレギュレーション。この勘が効かないわけです。独特な文脈で勝負をする必要があるんですから、そのお作法を知るための場として、エージェントを活用してみてほしいんですね。

複数人と会っていくうちに俺自身も体感していきました。どうやら自分はキャラクターに好感を持ってもらいやすい。あるいは話が簡潔でわかりやすいらしい。キャリアについては予想どおり評価されるところ、ストレートなキャリアを深めてきた人に比べるとビハインドを感じさせる部分があるらしい。現職の不満については、どんなに常識的にアウトなことを食らっていても、それを語ること自体がマイナスに働く。不満は組織ではなく、業務的な制約に絞るべきである……等々です。

そういった転職市場における肌感覚をエージェントと接するなかで養っていき、チューニングを施してほしいんですよね。10人と書きましたが、おそらく3人に同じことをやれば、大体は掴めるはずです。みなさんはドンファンになるべきなんですから。なんならカサノヴァ・スネイクです。ミッシェルはそんなに聴いてない青春でしたが、チバの声は最高だと思います。

今日から一週間後にエージェントとのアポをセッティングしてください。職務経歴書が終わっていなくてもOKです。先に会う約束をして、この週末に仕上げてみてください。7割くらいの完成度でOKです。とにかく書いてみないと良いも悪いもありませんから。エピソードについてはとりあえず白紙でいいです。ありまのまま、最初のエージェントに裸の言葉をぶつけてみましょう。それが、最初の一歩です。

今日の有料部分は、自分が気に入った転職エージェントを掲載しておきます。絶対これが良いというものではないし、このために課金する必要はない内容です。ただ、俺の性に合ったエージェント名を載せているだけです。

それではまた明日お会いしましょう。

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