痛みのないJ1昇格などあり得ない|vs横浜FC戦の感想

負けましたね。今日も乱雑にファジアーノ岡山の試合感想を書きます。ポジティブになれる要素もいっぱい見つかったのでみんなと共有したいです。

この試合感想は、筆者「はま」の勝手な解釈(つまり推察)でストーリー性を意識したものです。試合をじっくりと観察した考察ではありません。

事実よりも「指揮者の狙い」を推察した情報について解説しています。正しく検証していない情報もお伝えするので、このnoteにはフィクションが混じる点についてあらかじめご了承ください。

雨のなかの難しい試合となった横浜FC戦。試合開始2時間前に一時的にやんだ雨は、スタメン選手を確定したあとで再び強くなりはじめた。

水はけのよいCスタ(らしい?)であっても試合開始時にはピッチに水たまりができるほど厳しい状況で闘うことになる。

はまとフォロワーは試合前に「29齋藤恵太が釣りポイントを探していそうだね」なんて冗談もかわしていたが、ここまでの水たまりができるとは木山監督の予想を超えていたものだったはずだ。

24福森と雨に負けた前半戦

スタメン選手を見るに、横浜FCはテクニックのある10カプリーニをさげて高さのある38高橋を前線に置いてきた。いつものメンバーに加えて、高さで勝負できるメンバーを起用したのだ。

一方の岡山は、2時間前のピッチ状態をギリギリまで観察してボールコントロールのできるメンバーをスタメンに入れてきた。しかし、試合開始時にできてしまった大きな水たまりは、木山監督のゲームプランを大きく崩させてしまったようだ。

試合が始まると水たまりでボールが止まってしまい、とてもじゃないがドリブルで1枚はがすといった戦術は使えるものでなかった。両チームともロングボールを主体とした戦術で闘いはじめることになる。

前半での横浜FCの狙いは、CBのサイドにあるスペースだった。特に急遽左CBに抜擢された18田上を重点的に攻めはじめる。ロングボールやサイドに圧力をかけたワンツーパスで急所を突かれるが、中央の堅さで岡山はなんとか守れていた。

一方の岡山は、主に9グレイソンを狙ったポストプレーを狙う。しかし、ここに横浜FCのうまさが出たのだ。

横浜FCの選手が、9グレイソンと空中戦で競り勝つ意識は低く、9グレイソンのまわりに人数を集めてセカンドボールの回収を狙っていた。

9グレイソンは横浜FCに孤立化されてポストプレーが活かせない状況になる。しかし、それでも9グレイソンはすごかった。

頭での競りあいからトラップに切り替えて、ワンタッチパスで横浜FCのスペースにパスを送り始める。味方にこそうまく繋がらなかったが、この連携が高まれば前半でもかなりシュート数につながっていたはずだ。

あまり攻撃の人数をかけていなかった岡山は、前半は0-0でも勝てるプランを立てていたのだろう。CKもとれていたので試合の流れは決して悪いものではなかった。

誤算があったのは24藤田(のおそらく滑るスパイク)と自陣でのファールトラブルだろう。横浜陣内では24藤田がプレスをかけるも滑るピッチでいつもより一歩踏み込めず、相手にロングボールを蹴られるシーンが目立った。

また、横浜FCの圧力に対して自陣でファールで止める回数が増えてしまったファールトラブルも問題だ。(データで示しているサイトがあれば教えて欲しいのだけれど)前半のファール数は圧倒的に岡山が多かったはずだ。

結果としてプレスキックが得意な24福森に何度もチャンスを与えることになり、岡山はセットプレーから3失点もするという絶望的な状況で前半を終えることになる。

なお、セットプレーの弱点はたぶんここだろうと推測できるけど、僕は絶対に語りません。たった3日で解決できるものじゃないけど、岡山の優秀なスタッフが解決策を示してくれることをみんなで期待しましょう。

希望に満ちた後半戦

正直いうと僕は前半で試合を諦めてしまった。新しいメンバーを試して実践経験を積める場になればいいと本気で考えていたのだ。

しかし、木山監督やスタッフ•選手は誰ひとりとして試合を諦めなかった。後半からの巻き返しで4得点を奪えるだけの攻勢を見せていたのだ。

ポイントとなったのは15本山と18田上だ。なんと岡山は後半に守備を手薄にして15本山をアンカーとして3-1-4-2で横浜陣内に攻めかかる。

守備時は25吉尾をWBにした3-4-3だ。横浜FCも守備を堅めるが何度となくゴールに迫るシーンを演出した。

前節の大分戦で「11人なら勝ちを狙える」と木山監督が明言したとおり、3点差があろうとチームは勝ちを狙いにいったのだ。横浜FCが自陣に引きこもってしまっても11太田や9グレイソンのシュートで攻勢を強める。

誤算があったのは決定力の課題だ。11太田はCFとしてJ2屈指の強さを見せたが、ストライカーとしての結果を出すにはいたらなかった。

岡山は誰がゴールを決めてもいい戦略なのだが、逆にいうと誰がゴールを獲るのかあいまいだとも言える。

そこは岡山の魅力と考えていいが、PA内で決定的な仕事のできるFW選手の台頭はチームの躍進に欠かせないだろう。11太田はそんな選手になれる希望に満ちた選手なのだ。

19岩渕の復帰も待ち遠しいところである。

また、18田上の左CB起用がチームに躍動感を与えていた。ロングスローによるありきたりな戦術も横浜FCにプレッシャーを与えるには十分だったはずだ。

得点こそ1点で終わってしまったが、岡山のサッカーを楽しむには最高のゲームができていたと思う。

一方の横浜FCは、攻撃の人数を抑えたことにより後半では決定機が少なかった。

11人そろっていれば岡山は強い

前半で3失点という結果になげいててしまうサポーターの気持ちは痛いほど分かる。しかし、このゲームで勝ち得たものは勝ち点3よりもおおきなものである。

セットプレーの知識がさっぱりない僕にはどう改善したらいいのかは分からないが、セットプレーでの課題もはっきりと出たはずだ。

横浜FCのセットプレーはおそらく中村俊輔が解析したものとにらんでいる。優秀なブレーンがいて、狙いどおりにポイントであわせられるプレスキッカーなどJ2にはほぼいないだろう。独占禁止法で横浜FCを訴えたいほどだ。

しかし、長いシーズンを考えると、同じ形で失点してしまった課題は、早い時期に浮き出てしまった方が後半戦の強さにつなげられる。

目先の勝利よりも「3点差であっても逆転する意思を見せた試合経験」「15本山のアンカー起用によるチームの進化」など、岡山が強くなるための高い勉強代と割り切っても構わないのではないだろうか。

この敗戦はチームを成長させるために必要な筋肉痛程度のものでしかない。痛みをともなうことで選手の身体やチームの結束力は強くなる。退場者や前半での大量失点など、今経験しているすべての痛みはJ1に上がるために必要な成長剤なのだ。

この痛みによる成長を阻害することは、サポーターであっても決しておすすめしない。何度であろうと転けても立ち上がる子どものように、将来を見据えた人の成長は、転けたことよりも立ち上がることにあるのだから。

注目ポイント|25吉尾虹樹の台頭について

横浜FC戦で横浜9櫻川ソロモンからボールを奪った25吉尾を見て鳥肌がたってしまった。僕は勝手に25吉尾は相手プレーヤーとの接触を避けるテクニック重視の選手だと勘違いしていたからだ。

まさかあの9櫻川と身体でぶつかり、重心を低く構えて濡れたピッチ上でボールをかっさらうとはまったく予想していなかった。男らしい熱気に包まれたプレーを見て熱くならないファジサポはきっといないだろう。

44仙波とは異なるプレースタイルであるが、守備時のあの貢献を見せられたら、14田部井さえもポジションが危ういかもしれない。

25吉尾の成長は岡山のJ1昇格にむけた起爆剤になるはずだ。

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