空き家活用事例#01|住宅街にある大きな家は地域活動の拠点に最適だった。
昨年9月に取材に行って、妄想記事を書いていたこちらの空き家ですが・・・
「ここを借りたいです」という方がすぐに現れ、室内に残っていた家具類を処分し、なんとなんと11月末に賃貸契約となりました。
長い期間空き家状態で、相続したオーナーの方は、警備保障つけたり、定期的な庭木の剪定など、その管理もさることながら、今後どうしようと悩まれている状態でした。
思いがけずの早い結果に、空き家オーナーも取材したボクも驚きました。しかも、借りてくれたのは、ボクが妄想したまさにそんな施設を運営されているところだったのです。
昨年いっぱいは、施設開業のための準備になっていましたが、ついに先日フルオープンのお知らせが。コロナ禍でなかなか大袈裟にはできないけど、とのことでしたが、早速取材に行ってきましたので、その様子を綴ってみます。
今回この住宅を借りてくれたのはこちらの方。子ども食堂や子育て世代の若いママたちのサポート、そしてパン工房めりめろをされている竹ちゃん。
すごいバイタリティがあって、先日は、とんでもない競争率を勝ち抜き、NHKのど自慢熊本大会に出場、会場を大いに沸かせたスーパーマンです。
そんな竹ちゃんがなぜ、この松尾1丁目の家へ辿り着いたか。そのきっかけは、共通の友人(ゆっこさん)を通してでした。竹ちゃんの本拠地は、もともと自宅。
その自宅でいろいろな活動をやってたらしいのですが、そこだけじゃなんだから(何がなんなのかは知らんけど)、もう一つ拠点を持ちたいなぁとゆっこさんへ呟いていたらしいのです。
一方、ゆっこさんはというと「そうなんだぁ、いいところあればいいねぇ」って、右耳から入ったその呟きは、そのまま左耳から出ていったとのこと。ちなみにゆっこさんはおっとり系の可愛らしい尊敬できる活動家であり、僕の↑の記事はすでに知っていました笑。
家に戻ってハッとしたゆっこさん。「そういえば松尾1丁目によさそうな空き家あったよ」って、慌てて竹ちゃんへ連絡。そこで、僕の記事を紹介してくれて、竹ちゃんから「中を見せてください」と連絡が入ったという流れでした。
そして内覧いただくのですが、僕の妄想記事で大体様子は分かっていたので、ご近所の様子を見てみましょうということに。問題は駐車場でしたが、幸い近所に借りることができてここもクリア。こんな感じで、賃借契約に繋がったのでした。
年末に施設準備とプレオープン。飾り付けなんかも徐々に進んでいきました。
年末のプレオープン段階で、ご近所の方とサラッと友達になり、どんどん巻き込んでいく竹ちゃん。竹ちゃんもすごいけど、近所の皆さんもなかなかパワフルでした。
ここでも定期的にパンを売るとのこと。実はこのパンの売上から、子ども食堂や、いろんな活動のための費用を捻出しているという竹ちゃん。いやほんとすごいよ。他にも・・・
などなど、少しの売上を立てながら、リサイクルや子育て世代へのサポートなども始まってました。そしてフルオープンを迎えた1月19日。
メインはお弁当の販売です。大人300円・子供100円のお弁当、いつもは食事の提供みたいですが、コロナ禍なのでお弁当にしているとのこと。手際よく次々におかずが出来上がっていきます。
次々とこれだけの種類を、普通の家庭にあるキッチンで作り上げていきます。
ただただ指をくわえている僕には目もくれず、竹ちゃんたちは最終段階へ突入。弁当箱へのへ盛り付けです。
このお弁当、予約制だったらしく、作ってるそばから受け取りの方もちらほら。さらにさらに、お弁当は有料ですが、無料で持っていっていいパンなどもずらり並んでます。
他にも、いろんなものが無料で提供されていて、子育てママさんたちは大助かりだったようです。一方、日当たり最高のリビングルームでは・・・
こちらのワークショップの主宰は、「小さな一歩の会」の森さん。一枚150円だけど、作ってもいいし、作らずに出来上がっているものを買ってもいい。やはりこちらも、いろんなチャリティへ売上が渡る仕組みとのこと。いやぁすごいな。
台所からは「あぁーっ」って声が聞こえます。何事かと見にいくと・・・
どうしたんですか?と聞くと、↑のかまぼこ羊羹をお弁当入れるの忘れてたぁだって。にしても、この珍しい柄はなんなんですか?と聞くと・・・
「今年の干支ですよ」
今年は寅年だよな、とらどしとらどしトラドシ・・・?。えっもしかして、これ寅なんですか?なかなかシュールな寅さんでした。
お昼の時間に近づくと、お客さんが次々と押し寄せてきました。僕は邪魔っぽかったので、ここらで退散です。
にしても、ここまで使い込まれている姿見ると、ものすごく嬉しかったし、この妄想記事活動は無駄にはならないなって、元気をいただきました。
空き家の可能性を記事化する活動、空き家妄想メディア。多くの空き家が救われることはもちろん、そこを使う人々の幸せが生まれれば最高です。
スクラップアンドビルド、既存の価値基準で判断するのではなく、ありとあらゆる目線から、今ある資源を見つめ直し、新たな価値を見出してくこと。それが大事だなと、あらためて思った日でした。
今回の空き家のように、記事にして欲しいとか、話だけでも聞いてみたいとか、なんでもいいので問い合わせは↓からどうぞ。
また、同時に空き家オーナー側だけでなく、「こんなことやりたいけど」「どこかいい空き家ないですか」などなど、利用したい方のご相談もお待ちしています。使う側の要望がわかると、妄想するネタとして使えるのですごく助かります。
空き家所有者の方も、「こんな風に使いたいから貸してください」って、具体的に言われた方が検討しやすいのも確かですから。
今回の松尾1丁目の家は成功だったと思います。これからも一軒でも多くの空き家が活用されるよう、取材頑張りますので、皆様も情報どしどしお願いいたします。
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