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高級ブランドと不動産市場の新たな戦略~コロナ後の販促手段~

昨日池袋で所用があり、その帰りにふらっと「西武池袋本店」に立ち寄りました。というのも、前の通りから高級ブランド「エルメス」の店舗が見えて、そういえば最近買収絡みのストライキが話題になったこともあって、やっぱり1階のショップはデパートの顔だなと思いながら、何年かぶりに西武百貨店のなかを覗いて見たくなったのです。

何か買い物をしたとかではなく、印象に残った事柄から何かしら学べるものがあるのではと思い、書き留めておこうと思った次第です。

「エルメス」店舗の前には数人が入店待ちで並んでいました。このような光景は、コロナ以後珍しくはないのですが、平日の午後3時前後で正面玄関から最も離れた場所の店舗でもそうなのかと多少の驚きがありました。

しかしながら、よく見ると並んでいるのはアジア系の観光客っぽい30~40代が割合として高そうです。店舗横の通路にスリットの窓があって、中の様子がそれとなくわかるのですが、お客さんの数はそう多くはなさそうでした。つまり、店内の密を避けるのではなく「接客を密にする」ための入場制限なのかと推察したわけです。

そういえば、コロナで店舗への来場を予約制に切り替えた高級家具会社の社長が「1件あたりの売上成績が上がり、コロナ後も予約制で行こうと営業と話している」と聞いたことがあります。

つまり、顧客が大挙として押し寄せているのではなく、予約制やショップ前に並ばせることで、企業は接客コストを覚悟するかわりに購入意欲の高い顧客を自ずと絞り込むことができ、なおかつ未来の顧客になり得る(通りがかりの)人たちにその様子を見せることで「人が並ぶほど(または予約必須)の人気ブランド」と認知してもらえる、一石二鳥の効果が期待できるのだと。

ちなみに高級ブランドを束ねるLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の株価は52週高値904.60EURから直近25%以上も下落しています(10/13時点667.10EUR)。ロレックス指数もしばらく下げていて、今も今後しばらくも高級品はそれほど商況が明るいとは言えそうにないのが実態です。

コロナ前までは、販売促進策といえば広告を連想しました。
ポストコロナは、逆に広告を極力しない=売れてる感の演出
が販促手段の中心になっているのかもしれません。

この傾向をマンション市場に当てはめてみるとどうでしょうか。

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