【永久保存版】不動産市場の数字をみる上で留意すべきこと
これまで「不動産業界は経験と勘、度胸が大事」などと言われてきました。たしかにひとつの案件で数百万、開発なら億単位の損失を被ることもあり得る世界ですから、度胸も必要でしょう。しかし、そのようなフレーズだけで消費者と会話できる時代ではすでにありません。
昨今「エビデンス」や「ファクト」といった言葉を使うビジネスマンが増えたように、数字で表現できなければ何事も説得力に欠けてしまいます。不動産も例外ではなく、リセールバリューや地域差など、関心の高い要素はデータを付けてはじめて信憑性が生まれます。
ところが、不動産がらみの数字には特有の注意がいると、私は常々思っています。例えば、新築マンションの平均価格などはその最たるもののひとつといっていいでしょう。去年と今年では売り出されたプロジェクトの「駅からの徒歩分数」や「階数」、「専有面積」などどれをとっても異なるわけです。なのに「前年比✕✕万円値上がり、▲▲%上昇」と新聞やテレビが見出しにして取り上げます。
何もわからない消費者は「えっ、そんなに不動産価格は高騰しているの!」と鵜呑みにするかもしれません。情報を正確に受け取れない人は間違った判断をしてしまう可能性があるわけです。
そこで、不動産市場の数字をみる上で留意すべきこととして、新築マンション、中古マンション、賃貸マンションそれぞれ取り上げてみたいと思います。
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