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『産業保健師さん』と交流してますか?

こんにちは。
働く人と企業の健康寿命を延ばすライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。

先月からとあるご縁で健康経営の分野に関連する産業保健についてのお仕事が入ってきたことをきっかけに、改めて産業保健師さんについて知ろうとSNSを通して知り合った産業保健師さんや産業保健に携わる方数名にインタビューを行いました。

お話を聞けば聞くほど奥が深く、健康経営をより本質的に行っていく上で産業保健師さんを始めとした医療スタッフと経営陣の関りがいかに重要であるかを改めて痛感しました。

今回はそんな産業保健師さんとの交流について書いていこうと思います。




そもそも産業保健師さんがどんなことをしているかご存知でしょうか?

産業医さんと違って法律的に設置義務がない産業保健師さんは、『何をしている人なのか』なかなか存在の価値を感じにくいところがあるかもしれません。一見すると産業医さんと区別がつきにくいかもしれませんが、従業員の健康管理に直接的に関わりつつ全体把握するのが産業保健師さんです。

産業保健師さんの役割は上記の画像にあるように、従業員の方への直接的な健康指導を始め、健康診断の診断結果を整理し、健康課題の分析を行い、その分析をもとに保健計画を立てることを行います。

つまり、健康経営の施策立案と実行サポートは、従業員の健康状態・健康課題の分析ができる産業保健師さんがいるかいないかでかなりクオリティが変わってくるのではないかと私は思っています。

しかも、産業保健師さんは設置義務がないですが、裏を返せば産業医さんのように『50人以上の事業場につき1名設置する』という従業員数の縛りによる設置基準がありません。言ってしまえば、小規模事業者で従業員の健康課題にしっかり取り組みたい企業ほど産業保健師さんの設置はおすすめということになります。




しかし、そんな産業保健師さんも、もともとの畑は医療機関であり、行政だったりと『企業で働く』という経験が乏しいのも実態としてあります。私がインタビューした産業保健師さんは

「企業人としての振る舞いがなかなかできず困惑した」
「従業員側に寄り添いすぎていたこともあり、
 人事担当者の言動にモヤモヤした」

といった悩みも多く抱えている方も少なくないようです。
ただそれも、失敗談としてそこから対策を考え、足りない知識や技術を補い、今では貢献できる度合いがかなり高まったと仰っていました。

健康経営は、『健康』と『経営』が両立していなければならない経営戦略であり、どちらかに偏りすぎていてもダメです。

昨今、健康経営の推進指導ができる『健康経営エキスパートアドバイザー』をさまざまな職業柄の方が取得されています。しかし、健康経営の根幹は『従業員の健康増進(健康度合いの改善と向上)』です。その根幹をしっかり整理・分析できる産業保健師さんがいるかいないかでは、社内の健康増進は段違いにかわってくると思います(私みたいに保健師さんと同様の医療国家資格である柔道整復師を持っている人間も含めて)。

医療側の出身の方は、経営に関することを。
経営側の出身の方は、医療に関することを。

お互いが自分に無いものをしっかり学び、現場に活かしていってこそだと私は思っています。

既に健康経営を実践している企業さんだけでなく、これから健康経営に取り組んでいきたいと思う企業の経営陣の皆さんには、ぜひ産業保健スタッフさんとの交流量を多くしていただくことをおすすめします。

また、従業員の皆さんで健康状態に不安のある方は、ぜひ社内に設置されている『産業スタッフによる相談窓口』の活用もおすすめです。いきなり医療機関の受診に気が引けるという方は、社内で発信されている健康情報を活用しつつ、窓口に相談してみてください。

仕事の悩みは1人で抱えているよりも周囲に頼った方がいいとありますよね。それと同じで、今の健康状態で働くことに不安を感じる方はぜひ専門スタッフに相談してみることで、より良い選択肢が生まれるかもしれません。

悩み事は早期解決に。
指針ができたなら後は改善に向かって日々コツコツ積み上げを。
組織行動と同じで、健康管理も自分だけでなく組織ぐるみで高めて行きましょう。

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