見出し画像

富士通のインハウスデザイナーが見えるアイデンティティサイト「FACE」


みなさまこんにちは。FACE運営メンバーの宮武です。

FACE」は富士通デザインセンター(旧:富士通デザイン株式会社) の8名のデザイナーが企画・運営しているサイトです。富士通で活躍するデザイナー1人1人の「顔」を知っていただけるようなアイデンティティサイトを目指しています。富士通デザインセンター には現在約160名のデザイナーが在籍しており、FACEでは22名がそれぞれのストーリーを発信しています。今後も掲載メンバーを増やしていきます。

画像9

FACEでは、 より多くの方に富士通やデザインセンターのことを知っていただきたいと考え、本日からnoteを使った情報発信を始めます。今回は「アイデンティティサイトFACEをなぜ立ち上げたのか?」をお話したいと思います。

私たちが感じていたこと

富士通は最近に話題になったスーパーコンピューター「富岳」や皆さんがお使いのノートパソコンといったハードウェア、図書館や病院などお客様それぞれのニーズに対応したテクノロジーソリューション、安心安全なネットワークインフラの提供など幅広い事業を展開しています。

富士通製品イメージ

富士通デザインセンターには様々な製品やサービスのデザインに対応できるプロダクトデザイナー、UI/UXデザイナー 、建築家などあらゆるタイプのデザイナーが約160名在籍しており、 日々社会をよりよくしたいと考えながら仕事に打ち込んでいます。

社会への貢献度が高い仕事に関われる喜びは大きい一方で、BtoB向けの製品が多いのでほとんどの仕事は一般の方の目に触れることはありません。外部のアワードを受賞することが無い限り、一デザイナーの名前がでることはめったになく、仕事に対するモチベーションを維持するのが難しく感じるときもあります。私たちの会話の中で、

「実は新規事業や新サービスのデザインに取り組んでいるのに知ってもらえない」
「ユーザの方に自分たちのこだわりを伝えたい」
「会社の言葉ではなく、自分の言葉で発信したい」
「社内にこうゆうデザイナーがいることを知ってもらいたい」
「自分の好きなことや特技を生かした仕事を獲得したい」
といった、大きな企業の看板ではなく自分たち自身が発信していきたいという思いが徐々に明確になってきました。 

発信の場のデザイン リアルとWeb

そんな中、私が入社4年目の時に「クリエイティブ実習」という社員教育プログラムがあり、同期の4名で一緒に取り組むことになりました。自分たちや組織のことに目を向けて真剣に考えてみたところ、先述の課題感に対するアプローチとして、自分たちの活動を自分たちで発信する場の企画・運営をすることに決めました。

2017年10月より六本木1丁目に「Face Gallery」をオープン。初めてのことで大変なこともたくさんありましたが、自分たちが思いをもって行動することが、実が会社にとっても利益になるということを実感できました。
クリエイティブ実習での取組みはこちらをご覧ください。

クリエイティブ実習メンバー

画像6

クリエイティブ実習が終盤になったころ、先輩である 平田さんから『「Face Gallery」のコンセプトに凄く共感する。ここで終わらせるのではなくWebでやってみない?』と提案をいただきました。私たちもこの活動にやりがいを感じていたので、Webという形で改めて「FACE」を立ち上げることにしました。

2018年4月から企画に加わりたい社員を募集し、5名がメンバーとなりました。まずは、月1,2回集まり、現場で働くデザイナーがどんな思いを持っているのか、自分たちと企業の関係性をどう変えていきたいのかを共有していきました。 その後FACEのコンセプトやコピー、画面イメージなどを考え、経営層との予算決め、運用ルール決めをしていきました。
その半年後新たなメンバーとして3名が加わりました。経営層の承認もいただき、サーバーはどうするか、商標は取るべきか、など具体的な実施に向けて活動を進めました。

一時は予算確保があやぶまれましたが、リスクに対する対処方法の検討や制度づくりを整え、会社に対するメリットを数値化し経営層に提案したところ、予算も無事に確保できました。 

検討中の様子

公開への道のり

2019年7月、いよいよ投稿者の募集を始めました。FACE に投稿したい社員を募集したところ、8名の方から賛同してもらい、運営メンバー8名を合わせて、第1期は16名が投稿することになりました。
掲載者の皆さんには、それぞれの個性を表現できる場所をはじめに挙げてもらいました。ポートレート撮影をその場所で行い、サイトを彩る各自の「顔」として写真を準備するところからメンバーページの作成が始まります。

普段記事を書きなれない私たちなりに、 記事作成ポイントをまとめたガイドラインを作成したり、第三者の視点を得るために2名1組でレビューし合う仕組みを導入しました。記事作成が思うように進まず公開が危ぶまれることもあったのですが、投稿者が自主勉強会を企画したり、お互いに見守り合いながら3時間ひたすら記事を書く時間を設けたり、メンバー同士が工夫しながら作成を進めました。そして「一人一人を尊重する日」として2019年11月11日を公開日と設定し、無事公開することができました。

さらに、サイト公開から2週間後に国際フォーラムで開催されたDesigns Shipに出展しました。Designs Shipはデザイナー志望の学生や社会人と企業をつなぐ、業界の壁を越えた、
日本最大級のデザインカンファレンスです。私たちはブース出展、プレゼンテーションや対談会へ登壇を行い、2000名ほどの来場者のうち、私たちのブースには300 名の方が訪れてくださいました。 

画像9

当初、スタートアップ企業やベンチャー企業などが出展するなかで、富士通、そしてFACEという取組みが来場者の方に受け入れられるのか、ニーズがあるのかといった不安がありました。 しかし、実際に参加してみて来場者の方と話をしてみると、意外にも富士通のような大企業のインハウスデザイナーに興味を持っている方が多いことがわかり、これまでリーチできていなかった人材への採用にもつながりました。

画像9

また、FACEのような有志の活動を支援する風土があるということも知っていただき、これまでの富士通のイメージにさらにプラスのイメージを与えることができたという実感も得られました。社外の方から直接印象を聞けたことや、Design Ship後にサイトへのアクセス数も伸びたことから、こういったリアルな場の必要性も実感できました。

SNSのコメント

今後に向けて

2020年2月には第2期メンバーを募集し、さらに6名の方が加わりました。第1期から記事作成の仕組みもアップデートし、自分を表す「コピー」やストーリーの書き方を学ぶ勉強会を企画しました。それぞれが大事にしていることを振り返り、言葉にする特訓ができ、記事の内容も濃くなったのではないかと感じております。 

編集勉強会の様子

2020年度は新型コロナの影響もあり、社員の働き方も大きく変化しました。FACESITE運営チームもほぼ在宅での勤務となり、対面でのディスカッションが難しくなりました。ですが、TeamsやSlackを使い、活発な議論を進めています。テレワークになったことで、活動がしづらくなったとは思いません。Zoom飲みが増えて、かえって顔を合わせる機会が増えたくらいです。

そして、今年は「採用」の形も大きく変化しています。学生の方や中途採用に応募される方も、採用を担当する企業側も手探りの状況だと思います。今年の「採用」はチャレンジングな活動が求められています。社外の方とお会いできる機会が減ってしまったいまだからこそ、FACESITEの担う役割が大きくなっていると感じています。今年はデザインセンターの採用活動にも活動の場を広げていきたいと考え、採用向けのイベントをいくつか企画しています。

有志で始めた活動ですが、デザインセンターのみなさんからの後押しと社内外の認知度が上がっていく様子を間近で見ていますと、個人個人の思いが会社に還元されることは可能だということがわかりました。10月からはさらに掲載者とストーリーを増やし、より「顔」の見える、社員の人柄が伝わるサイトを目指します。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

執筆:宮武志保
編集:城愛美菅原由貴

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?