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呼び捨て

今日は休校明け初日。

今の中学生は地元TSUTAYAのHIPHOPのコーナーにキングギドラしかなくて本当にこれがHIPHOPなのかな?と疑いながらとりあえず我慢して公開処刑を聴くみたいなエクスペリエンスをしないで済む良い時代を送っている。よそのお宅の事情を一軒一軒配慮しながらやってはいけない事は決してやらず、やるべき事はやりましょうと促す教員職の方々は普通の神経の人では務まらない特殊な職業だと第四者的視点により間近で見ている自分がいる。

キングギドラの公開処刑を聴いてなんか違う気がするなどと思いながらも無理矢理HIPHOPだと思い込んで聴いてきた私は途中で脱落し、ジャパニーズロックとはなんぞやと模索した結果最終的に行き着いた答えがB'zだったりする。B'zの魅力は稲葉さんが教員免許を取得している事と科目は数学で中学校というまさか感。
TAKUMATSUMOTOは異邦人をZARDに歌わせて自分はギターを掻き鳴らすという誰もが思いつかない事を地に足つけて展開し奥行き深く切り開いていく才能がある。これが浅井健一には出来ない。浅井は浅井らしく気まぐれに踊り続けるというスタイルでコアなファンがいて、浅井健一って誰?ブランキージェットシティーのボーカルだよ。ふーん、なんか聴いた事あるかもとミッシェルガンエレファントと間違えて覚えられてしまったりもしている。シャーベッツはライブを辞めず今でも昔と変わらずマイナーながらもコンスタントにツアーを行っている。

イエモンは努力家。吉井やらロビンやら名乗りながらも最後に元の巣へ帰ってきて相応に求められた仕事をこなす。会社員に近い。需要に応えていく柔軟性を見習いたい。孫もいて家に帰ると真鍋かをりと息子がいる状況はハイスペエリート男子枠に属している。

私の事を下の名前で呼び捨てにしていい男性は、
父親と兄と学生時代の友人だけ。交際相手にも許されない。かなりくだらないこだわりだがなぜか染み付いている。相当どうでもいい事だが、生前の祖父が私の事を「サキ」と呼び捨てにすると母は傷付くと言っていた頃があった。しかし「サキじゃなくてサキちゃんです」と祖父に言い返す事は一度もなかった。

今日、男性の上司に「おい、サキ〜!!」と話しかけられて私驚いてしまって中島みゆきのファイトが走馬灯の様に脳内を駆け巡り頭の中が真っ白になってなんだかよくわからないけどまるで新卒の子羊が椅子に座ってぐるぐる巻きにされた状態でミスチルのサビだけをメドレーで聴かされる、みたいな心境に限りなく近い気持ちになり、「仕事辞めます」と言ってしまった。

私を気安く呼び捨てにしないでくれる?というビッチな意味というわけではなくて、なんなら気遣いで「サキ〜」と声を掛けてくれたのでむしろ感謝するべきシーンだった。そして私はその人の事を嫌いではなくむしろ好き寄りの好き。ただ、あなたの言いなりにはならないからねという自分の意思が中島みゆきのファイトと共に瞬間風速的に作動してしまい秒の決断になってしまった。

呼び捨て上司も女性の上司も色々と気にかけてくれてThis is a Sakiを育てたくてあの手この手で時間を費やしてくれている。その後「別の上司を紹介するから我々の言う事だけでなく迷ったら相談し多数決で決める習慣を」と教えてくれた。何事も行動力があっていいのに決断が早すぎてもったいないと言われた。

もうキャリアの話は疲れた。Amazonのキャリアはミスチルのサビに似ている。美しく響く。
私はミスチルを素敵だと思う感性を持ち合わせているし体調が悪い時に聴くとせつなくまともな涙が人並みに出るくらいにはミスチルの良さがわかる。

私の目指すものはサザンオールスターズのハラボーなので自分の旦那が不倫の歌を歌う真横で嬉しそうにヘッドマイクからハモリを入れてカメラ目線で微笑む様な、冷静に考えたらよく旦那が書いたそんな歌詞そんな顔してハモっていられるなというはずなのに縁の下の力持ちなハラボーだから誰にもそんな事は言わせないし気付かせないしきっと桑田佳祐を尊敬している。仕事には茶目っ気と真実のマブダチコミュニケーションを感じる。

色々と思う事はあったが、
名前を呼び捨てにされた瞬間キレてしまうやばさは浅井を体得してしまったからだろうし名前を呼び捨てにされてキレずに悲しんできた母親の姿をなんとなく思い出して、大事に大事に育てられた私がキレてしまった瞬間だった。

その後は「キミ」に変更された。退職したい。
たまたま昨日は資格の説明会に参加した直後で完全に今から確信犯で浮気をしようとしていたし。それからここ数日間は特に夫が真剣に仕事に取り組んでいる姿を見て多々反省していた。やっぱり仕事はこうでなくてはと感じた。迷いながら、戸惑いながらの継続というのかな。大切にして頑張っている人からはそういう姿勢が伝わる。

家族なので気合いが入っている方に担当を任せたい。夫なら大丈夫。私は普通に主婦します。先週娘が私の顔写真を大切そうに抱えてマイメロのポシェットにしまってよく見ている事に気が付いた。娘が寂しいのであればママ仕事辞めます。ママもぶっちゃけ「サキ〜!」って言われてミスチルのサビぐるぐる巻きにされて気持ちよく歌われる雰囲気に耐えられなかった。

夫なら椅子に座ってぐるぐる巻きに縛りつけられて上司に大音量であいみょんを歌われても真顔で聴き終えてお疲れ様でしたと言えるくらいの一般常識がある。凄い。見届けたい。常識が伴う人を心底尊敬している。

グッバイ君の運命のヒトは僕じゃない辛いけど否めないでも離れ難いのさその髪に触れただけで痛いやいやでも甘いないやいや
グッバイそれじゃ僕にとって君は何?答えは分からない分かりたくもないのさたったひとつ確かなことがあるとするのならば君は綺麗だ。

グッバイの後うるさい。長すぎ。
グッバイの後うるさくされるともっと嫌になってしまう私の浅井のわがままを上司、最後に許して下さい。本当にすみません。今の所明日以後出勤する気はなく山口百恵さんの蒼い時を読む事で私の反省期間としたい。最後にお世話になった上司へ、特に仙台の上司にはミスチルだし呼び捨てだけど男兄弟の長男育ちと聞いてなら許すと思えたしサキは昔の俺に似てたからほっとけなくてとも言ってくれたので悪気はなかったんです。

グッバイ、運命ではなかった。
でもありがとうございました。
仙台支社にお礼のお手紙を出そう。呼び捨て上司悪気はなくてむしろ私が好きすぎた。だから勇敢な方ですねと他の女性の上司もいる前で最後に褒めちぎった。

温室育ちなのごめんなさいの一言で納得して貰えず現在に至る。2時間以上話をして最後に私は泣きながら「すみません…主人が優しくていい人なのでもう本当にごめんなさい…」と伝えた所「そうだと思う。確かにご主人の話を聞いていると素敵だね。でもサキ、自立の時じゃない?今ってサキが生まれ変わるチャンスじゃない?俺も無理は言わない」みたいなミスチルが始まって女性上司が「うんうん、、わかりますーありますよねーなんとかしたいです」

この時間を終えたら私は山口百恵を読まないとダメだと思った瞬間だった。

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『蒼い時』
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特別扱い。
この言葉が大嫌いだった。これまで仕事をしてきた中でとても多かったことではあったがそうされることほど寂しいことはなかった。

高校二年の頃、在学校で私は商業コースを選んだ。カリキュラムの中に基本簿記と計算実務の二通りの時間があった。

ある時、この計算実務の授業中に、担当教師が私の机の真正面に来てこう言った。
「家の娘がファンでね。サインが欲しいんだよ」
クラスの友達の目や気配が、サッと変わったのを感じた。クラスメートたちは、私を芸能人という目で見たりはしていなかった。だからその教師に対して怒りを感じたのは、私自身より友達だった。次の授業の時間にも、

「へぇ、あんた可愛い時計してるねぇ」

これが教師の言葉だろうか。
許せなかった。こんな教師に、何かを教わるのも嫌だった。そう思って、それ以後のその教師の授業を私は全面的にボイコットした。
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