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飛鳥時代の器


このプロダクトは、飛鳥時代にあったとされる「」をイメージし、現代の乳加工品「脱脂粉乳」を主原料につくりました。
引用:農林水産省


この器は、どうやって出来上がったの?

原料は、「脱脂粉乳だっしふんにゅう」と「竹粉ちくふん」です。

脱脂粉乳だっしふんにゅう」とは、牛乳から脂肪分と水分を取り除き、粉末状にしたもの。
お菓子作りやホームベーカリーに、また栄養価の高さから、一般のお料理にも使われることが多い食材です。

加工前の脱脂粉乳

今回、この「脱脂粉乳」を素材化するにあたり、「竹粉ちくふん」を混ぜました。

竹粉ちくふん」とは、竹を粉状にしたもの。
土壌改良剤や飼料として使われています。

加工前の竹粉

この2つの原料を、fabulaファーブラ社 独自の技術により、熱圧縮加工ねつあっしゅくかこうで、平椀に成形します。

生活の中で、より手軽にお使いいただけるよう、最後にウレタンコーティング加工を施し、完成しました。


「脱脂粉乳」 「竹粉」 について

コロナ禍で、学校給食や外食産業での消費が減り、さまざまな食材が滞留したニュースは、記憶に新しいのではないでしょうか?

例えば「牛乳」。
行き場を失った生乳を、バターや脱脂粉乳に加工して、長期保存する対策がとられました。
しかし、保管する倉庫の費用の問題や、乳製品工場の生産能力を超えてしまうと、生乳を廃棄せざるを得ない、辛い状況が待っています。

一方、「竹」は、急速に成長する特徴から、放置された竹林による「竹害ちくがい」が、課題となっています。
土砂災害の危険性などを防ぐためにも、竹林の整備のために、国内各地で、さまざまな竹の活用が試みられています。

どちらも、工場で製造されるものと違い、短期的に生産コントロールが難しいもの。
しかし、十分に利用可能な資源です。

資源に合わせて、どんな素材にするかを考えられるのが、fabulaの技術の強み。
暮らしを彩るプロダクトとしての価値を⽣み出すことを⽬指し、この2つの素材をチョイスしました。


平椀 製造中の様子は?

素材の個性が、強かった。
だからこそ、完成後の感慨もひとしおです。

当初は、脱脂粉乳だけでの素材化に挑戦。
最初の出来はよく見えても、時間が経つと、ヒビが入る現象に見舞われました。
過去、数々の原料に向き合っていますが、かなり稀なケースです。

そこで安定させる素材として、素材の強度も補ってくれる「竹」に着目。
竹粉をブレンドして再挑戦し、試行錯誤を繰り返して、完成しました。

出来上がった時は、竹の香りが爽やかに、そして時間が経つとミルクっぽい香りが立ちました。
そんな変化も想像しながら、手に取っていただけたら嬉しいです。
苦労した甲斐がある、どこか懐かしい感じのする素敵なプロダクトになったと思います。

100%天然素材なので、ひとつとして同じものはありません。
それぞれ、少しづつですが、異なる⾵合いです。
その辺りも、楽しんでいただきたいです。


fabulaファーブラ社の想い

わたしたちfabulaファーブラは、100%天然由来の、有効活用できる可能性を秘めた「未利用資源」を、新たな素材に生まれ変わらせます。

ただリサイクルするだけでなく、生活を豊かにするプロダクトとなるよう、色合いやテクスチャーにもこだわりながら、新しい価値を生み出すことを目指し、活動しています。

牛乳の問題、竹の問題。
活用しきれていない資源を、より有効に活用したいとお考えの関係者もおられると思います。

この平椀をお手に取っていただいた方に、カタチになるまでのストーリーを知っていただき、更には、普段の生活では見えづらい、様々な未利用資源をどう活かすか、といったテーマにも、興味を持って頂くきっかけになれたら嬉しいです。


※お取り扱い上の注意


食器としての使用はお控えください
原料へのアレルギーをお持ちの方は、使用しないでください
・食べ物ではありませんので、口に含まないようご注意ください
・お子様のご使用時は、保護者の目が届く所でご使用ください
・食品が直接触れるような使用方法はおやめください
・水や湿気の多い箇所は避けてご使用ください
・水滴などがついた場合には、すぐに布巾などでお拭きください
・天然素材のため色や風合いが経年で変化します
・野外への放置は変形や劣化を促進させるためおやめください
・開封時に原料の香りがする場合がございます
・記載された条件以外での使用で生じた損害などに関しては、当社は一切の責任を負いかねます


「弥生時代」「鎌倉時代」をイメージした食材を使用したプロダクトについてはこちらから

このプロダクトは、国立科学博物館(東京・上野公園)にて開催されています特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」で販売しております。

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