「靴選びと足腰の健康」
巷では、様々な保護機能や支援機能を謳う靴が溢れています。
一方、股関節が痛い、膝が痛い、足の裏が痛い、腰が痛いなど、足腰の痛みを抱えた人が沢山います。
多くの人は加齢や古傷のせいにしていますが、本当にそれだけなのでしょうか?
骨と関節が本来求めている使い方からズレた使い方を長く続けている事や、保護機能や支援機能が強化された靴によって足元から肉体の衰えが加速し、まだまだ痛くなる事ないはずなのに痛みが出てしまった原因になっているということはないのでしょうか?
まだ痛くなっていない方は、今のうちに考えてみたらいかがでしょう?
なお、あくまでも、いくつかの仮説と実体験による検証結果を踏まえた私個人の考察に基づくものですので、権威主義の人にとっては無意味どころか害になりますでご遠慮ください。
ベアフットシューズでふっくら艶々の足裏に
私は、左足首複雑骨折で固まってしまった足首の柔軟性を復活させるために、ソールの厚みが5mmもないだろうベアフットシューズを裸足で履いてランニングをするようなってある日気づいたのは、いつの間にかカサカサでササクレもあって硬くなり、気になってワセリンを塗ってソックスを履いて寝てみたりしていた足裏が柔らかくふっくら艶々になっていたこと、土踏まずが少し深くなっていたことです。
要するに、「肉体は使わないと退化し、使えば発達する。」という当たり前のことを実感しました。
雪駄で足裏の重心移動を知る
また、ダニエル・クレイグの姿勢から学び、踝(くるぶし)から鉛直に立ち、歩く走るようにすることで、骨盤が立ち、お腹周りの5kgくらいあった脂肪の腹巻が消え、O脚気味でくっつかなかった左右の膝が付くようになったのですが、江戸時代の人がみな鉛直姿勢だったことや一日40km歩いたことを知り、試しに買ってみた雪駄の江戸履きが鉛直姿勢に誘うことや、雪駄で走ってみたところ、下図のように、土踏まずの外周、踵から小指母指球を通って親指母指球に、重心が移動するような足裏の使われ方を知り、ビジネスシューズやスニーカーを履いている時でも、そうやって歩くと疲れにくいことを実感しました。
要するに、「土踏まずで土を踏まないように足の外周を使う」が本来の足の使い方だということで、気づけて嬉しかったのですが、50年以上二足歩行してきたのに、十代は裸足で剣道もやってきたのに、気づくことができなかったのは本当に情けないことでもありました。
靴選びのポイント
足のためには靴など履かず、マサイ族のように裸足や薄いサンダルがベストなのでしょうが、そうも行きませんので、まだ痛くなっていない人向けに、特にソールに着目した普段の靴選びのポイントを整理してみたいと思います。
特定目的のためにデザインされた靴を普段使いに転用しない。
目的外利用の典型的な例がマラソン用シューズを普段のスニーカーとして履くことです。40kmを超える長距離を速く走るために作られたシューズですので、着地時の衝撃吸収、土踏まずのアーチのキープや伸縮支援、踵からつま先までの効率的重心移動支援、踵のホールドによる足首の保護などがデザインされています。こういう靴を普段使いしていると、本来の足の機能の衰えを加速することになるでしょう。
バスケットシューズやテニスシューズも街で良く見ますし、自分も履いていましたが、衝撃吸収の少なくソールの硬いトラディショナルなモデルなら普段使いもいいかも知れません。衝撃吸収機能を謳ったソールを避ける。
痛くなってしまった人向けに低反発素材などを使った衝撃吸収機能を謳ったウォーキングシューズがその典型ですが、痛くもなっていないのに使うと足裏からの衝撃が小さくなることで、足裏が硬く薄くなってしまうだけでなく、骨に振動が伝わらないので、骨粗鬆症のリスクも高まります。
例えば上記ウェブサイトの管理元であるマサイ族の歩き方からヒントを得たマサイベアフットテクノロジーの靴、衝撃吸収機能があるので、足裏の重心移動や骨粗鬆症対策を捨てれば、歩き方という点では良さそうだ。という感じです。踵とつま先の高低差が少なくしっかりしたソールを選ぶ。
鉛直に立ちやすいソールデザインの靴を選んで欲しいと思いますが、そのポイントが、弾力性はあってもしっかりした素材を使った、踵とつま先の高低差が少ない、以下のタイプのものがお薦めです。つま先が反りあがっているソール
よく見る魔女の尖り靴のような靴は、つま先が反りあがっていますが、これはつま先が躓かないように反り上げているのだと思います。
あくまでも、実際に足を入れた時の指先の位置で見てください。反りのある一体型のソール
レッドウィングのポストマンに代表されるわずかでも反りのある一体型のソールは踵とつま先の高低差が少ないので、小さくとも反りがあれば、鉛直に立ちやすいソールです。
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