#5 日本初のミネラルウォーターその背景にある物語
日本では、おいしくて安全な水を求めるようになるのと合わせ、
「ミネラルウォーター」の需要が急増してゆきました。
実は、日本のミネラルウォーターの歴史は意外と古く、明治時代から存在していたんです。
明治年17(1884)には兵庫県川辺郡平野村から湧き出た炭酸水を瓶詰し
「平野水(ヒラノスイ)」として製造開始、
天然炭酸を含む唯一の鉱泉水として販売されました。
興味深いことに、
大正天皇の御料品に指定され、
胃腸病の持病があった夏目漱石も愛飲したと言われます。
これは、のちに砂糖・クエン酸などが加えられ、
「三ツ矢」印「平野シャンペンサイダー」
そして、現在の三ツ矢サイダーになってゆきます。
そば1杯3銭の時代に1本10銭の高級品でしたが、ヒットしたとのことです。
明治23年(1890)年には『クリフォード・ウィルキンソン炭酸鑛泉』があったのですが、これらのように日本初のミネラルウォーターは炭酸水でした!
昔は高級品だったミネラルウォーターが、
最初は炭酸水だけで、その後、今のミネラルウォーターが
カレー用のチェイサーとして家庭に普及したとは興味深いですね。
ミネラルウォーターが手軽に飲めるようになった背景には、
持ち運びに便利な500mlペットボトルが登場したことも大きく
私たちのライフスタイルやニーズの変化と連動していたことがわかります。