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【Blitz】《Iyslander》と《Oldhim》のBlitzフォーマットでのLL(禁止)後のメタ予想記事【戦略記事】

By @dokuiro_mtg

※記事中にはカードの価格について言及している文章があります。これらは全て執筆時点(2023年4月)の相場を参考にしています。

この度縁あって「FaB Fan!」様に記事を寄稿させて頂くことになりました、FabUnofficial Championships 2023 Spring優勝者のどくいろと申します。『マジック:ザ・ギャザリング』を10年近くプレイした後、2023年1月から『Flesh and Blood』を始めた新参プレイヤーです。

5月初週に《Oldhim》と《Iyslander》の2大トップメタがLiving Legend(=禁止指定)となることが予想されているので、今回はその後のBlitz環境のメタ予想をする記事になります。

《Oldhim》
Elemental Guardian Hero - Young
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Essence of Earth and Ice(あなたはデッキにEarthとIceカードを何枚でも入れてよい)
各ターン1回のみディフェンスリアクション - (3):この能力のコストを支払うためにEarthカードをピッチしている場合、次にOldhimが受けるダメージを2点軽減する。Iceカードをピッチしている場合、アタック中のヒーローは手札からカードを1枚デッキの一番上に置く。

《Iyslander》
Elemental Wizard Hero - Young
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Essence of Ice(あなたはデッキにIceカードを何枚でも入れてよい)
あなたのターンでない場合、あなたはアーセナルからアタックではない青のアクションカードをそれがインスタントであるかのようにプレイしてもよい。
あなたが対戦相手のターンにIceカードをプレイするたびに、対戦相手のコントロール下に《Frostbite》トークンを1つ生成する。

《Frostbite》
Elemental Token - Aura
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あなたがカードをプレイしたり能力を起動するためのコストは(1)増える。
あなたの終了フェイズ開始時か、あなたがカードをプレイするか能力を起動するとき、《Frostbite》を破壊する。

メタ予想する上で重要となるヒーローの相性については、自分が大会で感じた相性差と、FaBraryにて公開されているヒーローごとの勝率の2023年4月分のデータを参考しています。

FaBraryはTalisher(対戦ツール)の戦績を元にした統計であり、練習中の初心者プレイヤーや新たな構築を試しているプレイヤーなどの戦績も集計されるため、完璧に信用に足るデータとは言えませんが、実体験と、大会上位プレイヤーから聞いたヒーローの相性を踏まえて「ある程度信用できる、体感に近い数字だな」と思ったデータをベースにメタ予想をしていきます。

結論から書くと、次環境の四天王は

  • 《Kassai, Cintari Sellsword》

  • 《Kano》

  • 《Dash》

  • 《Ira, Crimson Haze》

と予想しています!

次期Blitz環境の主軸になる予想のヒーロー達

①《Kassai, Cintari Sellsword》

《Kassai,Cintari Sellsword》
Warrior Hero - Young
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各ターン、あなたの2回目の剣によるアタックはコストが(1)減る。
あなたのターン終了フェイズの開始時に、このターンあなたが2回以上武器によるアタックを行っている場合、武器アタックがヒットした回数に等しい《Copper》トークンを生成する。

《Kassai》は足装備の《Valiant Dynamo》が1ゲームで5〜6点の防御点になり、ライフが実質30前後あることや、武器から安定して打点を出し続けれることから、Guardianの得意な長期戦にも強く、物理ヒーロー(=非Wizard)には全有利という恐ろしいスペックを秘めていました。

ターン中2回以上武器で攻撃していたら防御点が回復する脚防具。《Kassai》ではほぼ毎ターン条件を満たせるため、滅茶苦茶強い!

《Valiant Dynamo》
Warrior Equipment - Legs
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あなたのターン終了フェイズの開始時に、このターン2回以上武器によるアタックを行っていた場合、《Valiant Dynamo》の上から防御力-1カウンターを取り除いてもよい。
Battleworn(あなたがこれで防御し、コンバットチェーンが閉じた場合、これの上に防御力-1カウンターを1個置く。)

物理ヒーロー全有利の図

ですが、物理職に強い反面Wizardが苦手……というより、《Iyslander》相手の勝率は19%というカードゲームではなかなか見ない絶望的な相性で、これまで抑え込められていました。

魔法ヒーローには全不利。極端!

天敵である《Iyslander》がLL入りした場合、《Kassai》が猛威を振るう環境になることは容易に予想できます。「次環境で最強のヒーローを使いたいけど誰?」と聞かれたら、私は真っ先に《Kassai》か《Kano》の名を挙げます。

②《Kano》

Kassaiの抑え役

《Kano》
Wizard Hero - Young
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インスタント - (3):あなたのデッキの一番上のカードを見る。それがアタックでないアクションカードである場合、あなたはそれを追放してもよい。そうしたなら、あなたはこのターンそれをインスタントであるかのようにプレイしてもよい。

《Kassai》が暴れればどうなるか?カウンターとしてWizardが現れます。《Kassai》 vs 《Kano》は3:7です。《Iyslander》ほどではないですが、《Kassai》にガン有利と言える相性差です。

《Kano》はプレイに習熟が必要なヒーローですが、立ち位置自体はよく、《Dash》と《Prizm》以外の多くのヒーローに有利です。

習熟が必要なことと、ガチると《Eye of Ophidia》が欲しくなってくることなどから、爆発的に《Kano》使いが増えることはあまりないと予想できますが、《Iyslander》を組んでいた人が《Kano》に移行することや、《Kassai》に勝ちたい!という人の存在から一定の増加はすることが予想できます。

10万円札。《Kano》はデッキトップからカードを使用するため非常に相性が良い。

《Eye of Ophidia》
Generic Resource - Gem
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Legendary(《Eye of Ophidia》はデッキに1枚までしか入れることができない)
あなたが《Eye of Ophidia》をピッチしたとき、Opt2を行う(あなたのデッキの上から2枚のカードを見て、その中から好きな枚数をデッキの一番上か一番下に望む順番で置く)

ワンショットコンボを持つ初見殺しの性能が高いヒーローなので、《Kano》対策と予習をしっかりしておきたいですね。

③《Dash》

Kanoの抑え役

《Dash》
Mechanologist Hero - Young
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あなたは2コスト以下のMechanologistアイテムをアリーナに出した状態でゲームを開始してもよい。

《Kassai》を倒すために《Kano》が現れたらどうなるか?魔術師キラーの《Dash》の出番です。《Kassai》←《Kano》←《Dash》←《Kassai》……のじゃんけんが成立します。

FaBrary上での《Kano》相手の勝率は50%と実は五分ですが、《Dash》をメインで使っている私はしっかりとプレイすれば有利が付くと感じています。《Kassai》相手も勝率は41%と、厳しいですがまだチャンスがあるレベルなので、《Kano》と《Kassai》を薙ぎ倒して優勝できる可能性を秘めています。体感ですが、統計上の勝率が30%台の相性差になるとマジで勝てません。

また、苦手なGuardianである《Oldhim》がLLすれば、残る主要なGuardianは《Bravo》のみで、その《Bravo》は《Kassai》に勝率25%、《Kano》に勝率37%とこれまでに挙げた2ヒーローに対して不利です。そのため今後は《Bravo》にとって苦しい環境になることが予想され、このことも《Dash》にとって追い風となります。

④《Ira, Crimson Haze》

立ち位置は良くなるが……

《Ira, Crimson Haze》
Ninja Hero - Young
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あなたの2回目のアタックは攻撃力+1を得る。

《Ira》は《Iyslander》相手の勝率が31%と大変厳しく、《Oldhim》も48%と微不利だったため、単純な立ち位置はとても良くなります。

しかし《Kassai》が苦手(勝率37%)、《Kano》も微不利(勝率44%)なので、これまでの予想が合っていた場合、結果的には「雑多なヒーローには勝てるがトップメタ2種に負けてしまうヒーロー」という立ち位置になってしまう可能性があります。

とはいえ《Ira》は構築の幅がとても広いので、《Ira》使いがどのように調整し、環境の変化に適応していくか要注目です!

その他注目ヒーロー

《Prizm》

《Prism》
Light Illusionist Hero - Young
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各ターン1回のみインスタント - (2), 《Prism》のSoulからカードを1枚追放する:《Spectral Shield》トークンを1つ生成する。

《Spectral Shield》
Illusionist Token - Aura
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(Auraはこれが破壊されるまでArenaに残り続ける。)
Ward 1(あなたのHeroにダメージを与えられる場合、そのダメージから1点を軽減しこれを破壊する。)

《Kano》に有利(勝率60%)、《Kassai》には微不利程度(勝率45%)なので、「Kanoに有利でKassaiにも勝ちうる」Dashと似た立ち位置です。

ただし《Dash》と《Ira》は苦手(勝率35%、勝率42%)です。《Kano》 vs 《Kassai》のようなメタになれば輝くチャンスですね。

《Emperor,Dracai of Aesir》

《Emperor,Dracai of Aesir》
Royal Draconic Warrior Wizard Hero - Young
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あなたはデッキに赤のカードしか入れることができない。
アクション - (3):あなたのデッキから《Command and Conquer》を探し、それでアタックする。その後デッキをシャッフルする。

《Kano》ではない方、もう一人のWizardクラス持ちになります。

2種類のタレントと2種類の職業を持ち、全身をLegend装備で固められることから、装備一式を揃えるだけで10万円コースである上に《Command and Conquer》が必須など、「皇帝/Emperor」の名に恥じずなかなかお金がかかるヒーローです。

《Command and Conquer》 (2)
Generic Action - Attack
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《Command and Conquer》のチェインリンクではディフェンスリアクションをプレイすることができない。
《Command and Conquer》がヒーローにヒットした場合、そのプレイヤーのアーセナルのカードを全て破壊する。
(6/3)

また、「赤いカードしか入れることができない」という厳しい構築制限などからなかなか組んでいる人がいませんでしたが、Wizardの選択肢が減ったことや、一部プレイヤーの資産も充実してきていることから、そろそろ組む人が現れる始める頃合いかもしれません。

赤単色デッキである関係から《Frostbite》が致命的にきつかった(対《Iyslander》勝率は驚異の6パーセント!)ので《Iyslander》と《Oldhim》のLLは大きな追い風です。

Wizardなので《Kassai》に70%の勝率を誇る他、雑多なヒーローにも実は割と勝率が良く、「お金のかかるローグデッキ」ではなくなるかもしれません。

《Dorinthea》

《Dorinthea》
Warrior Hero - Young
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各ターン1回のみ効果 - あなたの武器アタックがヒットした場合、このターンあなたはその武器で追加のアタックを行ってもよい(再度攻撃するにはアクションポイントが必要)。

《Dorinthea》も《Iyslander》が苦手(勝率31%)、《Oldhim》も苦手(勝率35%)とIceに苦しめられてきたヒーローなので、2人のLLを喜んでいる筆頭です。

同じWarriorの《Kassai》には五分に戦える他、雑多な物理ヒーローに強く出れるヒーローです。《Kano》相手の勝率は38%なので《Kassai》もろとも焼き尽くされますが……。

また、ディフェンスリアクションの採用率が高く攻撃が通りづらい《Ira》相手にも不利(39%)なので、次の環境を諸手を挙げて喜べるヒーローではなさそうですが、立ち位置は前より確実に良くなっています。

《Rhinar》

《Rhinar》
Brute Hero - Young
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あなたが自分のアクションフェイズに攻撃力6以上のカードを捨てたとき、Intimidateを行う(対象のヒーローは自分の手札を1枚ランダムに選び、裏向きのまま追放する。終了フェイズの開始時に、これによって追放された全てのカードを持ち主の手札に戻す)。

《Dorinthea》と同じく、対《Iyslander》勝率36%、《Oidhim》勝率37%と不利が付いていたヒーローなので立ち位置改善です(というかIceというギミックに苦しめられていたヒーローが多すぎます)。

しかし、次の四天王相手の勝率は全て50%を切っているため、最強のヒーローにはなれなさそうです。Brute的思考に従い、先手を取ってIntimidateパンチを決めれば勝てる!と考えればLLにより苦手なヒーローと当たる確率が減ったのは間違いなく追い風です。今日も元気にダイスを振りましょう。

《Lexi》

《Lexi》
Elemental Ranger Hero - Young
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Essence of Ice and Lightning(あなたはデッキにIceとLightningカードを何枚でも入れてよい)
各ターン1回のみアクション - あなたのアーセナルのカード1枚を表向きにする:それがLightningカードである場合、あなたの次のアタックはGo againを得る。それがIceカードである場合、対象のヒーローのコントロール下に《Frostbite》トークンを生成する。

《Oldhim》、《Iyslander》がLL後、唯一Iceカードを使用できるヒーローになります。

Iceへのガードが下がり、みんながリソースがカツカツの構築に変わったところにIce軸の《Lexi》が優勝をかっさらう可能性はゼロではなく、「BlitzではRangerは厳しい」という定説をひっくり返せるかもしれません。

自分は正直「BlitzではRangerは厳しい」と思っている側の人間なので、驚かせてくれるプレイヤーがいることに期待しています。


以上です。お読みいただきありがとうございました。

一プレイヤーの意見なので、予想と全然異なる環境になるかもしれません。特にBlitzフォーマットは海外プレイヤーの環境解明が余り進んでいないので、日本のプレイヤーの研究によって構築の流行やメタゲーム、環境が変わりうるゲームです。

いずれにせよ、次のBlitz環境がどうなるのかとても楽しみです!


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