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【読書感想文】100分de名著 夜と霧

夜と霧という本自体を持っているのですが、慣れない古い文体と若いときの読んだということで、あまり理解できませんでした。今回は、解説本として、100分de名著で読んだ気になろうと思いました。これを機会に再度読み直そうとも思いました。

だれかの言葉で、「この本は、皆必ず1度は読むべきだ。」とおっしゃっていたと思います。それに影響されて当時22才頃に古本屋をめぐって、見つけて、読んだと思います。現在社会人になって感じたことを3つほど書きます。内容は割愛します。

①極限状態において、人間は天使と悪魔に分かれた
「死にゆく仲間のパンや靴を奪い取る者がいた一方で、みずからが餓死寸前の状態にありながらも、仲間に自分のパンを与え、あたたかい励ましの言葉をかけ続けた人がいた」
ここは、天使と悪魔に分かれたとは私は思いませんでした。生きることに執着することは動物の本能なので、自己承認欲求が本能に近いか、理性に近いかの違いで、人類全体に一定の割合で割り振られた機能と役割の違いで、個人に帰属する判断能力ではないような気がしました。「死にゆく仲間」がもし血のつながった者だったら行動が変わる場合も往々にしてあると思います。
なので、ここは、後半に出てくる「態度価値」の話のほうがしっくりきました。「自分では変えることのできない出来事に、その人がどのような態度をとるかによって実現される価値です。」
最近の卑近な言葉で言うと「最後に、やるかからやらないかは自分次第」、「馬に水を飲ませることはできない」ってことですかね。
ポーカーの手札が悪かったらどういう態度で臨むか、麻雀の配牌が悪かったらどういう態度で勝負をするか、自分の能力が偏差値38だったらどういう態度で人生を送るか、最後は結局どうするかは自分で、そこは強制される必要もないし、そこに価値を見出せると人生は、少し楽かもしれない。結果だけでなく、態度価値(プロセス)に自分なりの価値が見いだせると、自分を認められるのかも。

②本書にクリスマスの話も載っていました。(本書に忠実ではないですが)クリスマスには休みがもらえるのではないかと、勝手に期待していた人達がいて、クリスマスが来ても休みがもらえなかったら、絶望した。その結果、死亡者が多くなったという話です。結局は気持ち一つで寿命も変わるのかと思いました。態度価値(プロセス)によって、人生の充実感が変わり、気持ち一つで寿命(結果)も変わるのかと、結局は食べ物や他者でもなく、自分の心で生きている動物なのかなぁと思いました。

最後、ロゴセラピーで創造価値、体験価値、態度価値を提示されていました。これを「夜と霧」作戦を実施した側にあてはめるとどういう結果が見出せるのかなぁ。これは、「夜と霧」作戦によって被害を受けた側の心理をもとにいろいろと書いてあります。それをした側、悪いことを実施した側のことを書いているものは少ないので、そちら側が救われる、もしくは救われない価値のような考え方のような、学問のような、真理を追究したものが知りたいと思いました。彼らも人間なので。

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