なぜ結婚したのか

去年、誕生日前で23歳だった私は、交際3年目のパートナーと結婚した。彼は、私にとっては初めての恋人だ。交際から半年後には半同棲生活となっていた。それほど、居心地がよかった。

よく聞く、結婚したい、という欲は無かった。結婚式に興味は無いし、ウエディングドレスを着たいとも思わなかった。

そんな私が、彼から結婚を提案されて、それをその場で賛成したのは、彼の隣にずっといたかったからだ。

結婚しなくても、一緒にいられる?

確かに、一緒にはいられる。

しかし、いつでも、ではない。

状況によっては親族しか傍にいられないこともある。

父を中学生の時に亡くし、その後数年、身内が次々に亡くなったことで、私は他者が死ぬことに強い恐怖心と不安を抱くようになった。

ただ、それはいつまでも生きていてほしい、という思いではなく、看取りたくない。でも、別れで後悔はしたくない。そんな思いだ。

彼の身に何かあったとき、彼の両親よりも、彼の弟妹よりも、彼の上司よりも、誰よりも先に彼の元に行って、彼の隣にいて、手を握りたい。そんな思いから、私は結婚した。

子離れできていない母親からは、はっきりと祝福の言葉は貰えていないし、結婚式は多分やらない。結婚式をすれば母親も祝福の言葉を言ってくれるのかもしれない。でも、大好きで、私が尊敬している1人である父親がいない式は、したくないのだ。

私の母親も、彼の両親もいなくなって、もうすぐ私と彼もいなくなるかもしれない、そんな時に初めて結婚式をするのロマンチックではないかと、1人ぼんやりと思う。

死にたい思いは消えないし、自傷は半年も我慢できないし、子どもは産みたくない。そんな私だけど、彼を選んだことは私の人生において良い影響となっている。それが、今の私の幸せだ。

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