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0591:(GaWatch映像編012)『脳にだまされるな 環境危機とどう向き合う』

NHK BS1『BS世界のドキュメンタリー 脳にだまされるな 環境危機とどう向き合う』
原題:Climate Change:The Brain Paradox(フランス 2021年)

※ヘッダ画像は下記の公式サイトから

実家のデッキではNHK4局を全録し、面白そうな番組は後から見ている。

昨夜放送されたこの番組、「脳にだまされるな」のフレーズそのものが気になったことがひとつ、加えてそれが環境危機とどう関わるのかタイトルから予想できないのも興味を惹かれた。

視聴開始。少し見て得心する。地球温暖化には批判的な立場があり、それは科学者の科学的反駁があるらしい一方で、「温暖化なんて嘘っぱちだ、中国がアメリカの産業の邪魔をしようとしてでっち上げたんだ」みたいな陰謀論が根強くあることは知っていた。前の大統領自身がそうだからね。科学的な議論検討はいい。まったく科学的根拠のない陰謀論・感情論に人はなぜ陥るのか。この番組のコンセプトはそこにあった。

冒頭しばらくは、ありきたりの認知バイアスをいくつか紹介していて、私にとっては目新しい知見のない退屈な作りだった。しかし、ある実験を解説する場面から前のめりになった。

二人の被験者がそれぞれに対照に評価を下し、後に二人の評価を並べてそれぞれに示す。相手と自分が同じような評価をしている時には脳が興奮するが、違う評価をしている時にはそれが見られない。

これが何を意味しているのか。

反響室の中では発した言葉がいつまでもこだまするように、ネットなどで同じ意見の人だけが集まって信念を強化し、違う意見には見向きもしないということが知られている。エコーチェンバー現象だ。私はこれまでそれを、単に心理的な説明で理解していた。しかし上記実験は、この現象には脳の生理的基盤があることを示している。つまり、理性的に思考する以前の抗い難い生理反応として、人は自分の信念に同調的な情報を積極的に選び、認知的不協和を拒絶するということだ。

そのような特性を持つ人間が、今、ネット社会に生きている。すると何が起きるか。現実社会では荒唐無稽な陰謀論を信じる仲間に出会うことは滅多にない。番組で具体的に言われていたのは地球平面説だ。「地球が球体なぞというのは嘘っぱちだ、実際には平らなんだ」という非科学的な主張は、以前なら仲間を増やすことはできなかった。ネット社会の今、このような言説ですら仲間を見つけることは容易で、互いに信念を補強し合うエコーチェンバーを形成できてしまうのだ。

はあーっ、人間てのは厄介なもんだなあ、と驚嘆した。消費者教育ではクリティカルシンキングの重要性をいうが、それは一定の訓練を要する「遅い思考」であって、多くの人はそんな面倒を厭い快楽原則に沿った「速い思考」をするわけだ。

目から鱗が一枚はがれて以降、最後まで面白く視聴した。こういうジャンル(人間の意思形成など)に関心のある人にはお勧めできる(逆に環境問題について知見はこの番組のメインテーマではない)。BSなのでNHK+では観れないのが残念。

--------(以下noteの平常日記要素)

■本日のやくみん進捗
第1話第18回、778字進んで2,445字。読んでいて地味に感じる箇所かもしれないけれど、充の運命を定める重要場面だけに、描写の説得力が必要になる。思案のしどころだ。

■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積237h03m/合格目安3,000時間まであと2,763時間】
おっとノー勉強デーになってしまった。

■本日摂取したオタク成分
『BS世界のドキュメンタリー 脳にだまされるな 環境危機とどう向き合う』上述のとおり『SCARLET NEXUS』第21~22話、家族の物語。いやはやこういう展開になるとはなあ。『spy×familly』第5話、んー、原作そろそろ思い出せなくなってきたな。この辺りまでしか読んでないのかも。『かぐや様は告らせたい ウルトラロマンティック』第4話、今回も良い勢い。『本好きの下剋上』第29話、あんま見てなかった。『不滅のあなたへ』第17話、ハヤセのヤンデレっぷりを楽しむところだね。

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