見出し画像

0128:行政による便宜とその悪用

 今日の「オタク成分」コーナーに記すが、ねほりんぱほりんで無戸籍者の話に観入った。連想したことを書き留めておく。

 私はこれまで住民課的事務に携わったことはない(念のためにいうと私はこのnoteで、自分が国・都道府県・市町村・独立行政法人等のどれに属しているかは敢えて明かしていないし、少なくとも退職するまでは明かさない)。ただ、毎日のように戸籍を閲覧して親族関係を特定する事務は経験したことがある。日本国民は誰もが戸籍を持ち、親族関係や身分事項が記録されて、それが様々な行政サービスの基礎になる。

 だが、ごく例外的に、日本で日本人の子として生まれながら、出生届を出すことができず戸籍のない人がいる。基本的に、義務教育や医療保険をはじめとする行政サービスを受けられないから、かなりの不利益を被ることになる。

 ただし、番組でも描かれていたけれど、「行政サービスを受けられない」ということの一定部分は、保護者側が隠しているから(表沙汰にしたくないから)という事情に依る。公務組織は、どうしても動かせないルール(例えば「日本人という証拠がなければ戸籍は作れない」)を遵守した上で、その人を社会の中で安定させるための柔軟な対応(例えば「戸籍はなくても住民票は作る」)に智恵を絞るものだ。行政とりわけ市町村役場は住民の味方だ、困った時には相談すれば親身に対応してくれる筈だ。

 けれども、そうした役所の善意による便宜を逆手に取る者がいる。

 間接的にではあるが、こんな事例を知っている。DV被害者であるという女性が、被保険者証に偽名を記載するよう、役所に求めた。DV夫が医師なので、実名で医療機関にかかると医者仲間の間で情報が回り居所を突き止められてしまうから、というのだ。役所は被害者保護のために便宜を図り、偽名で被保険者証を発行した。数ヶ月経つと、「今の偽名がバレてしまったようだ、別の偽名を」という申告があり、再発行をした。しばらくして、事の真相が判明した。夫と妻は実はグルで、元々多額の借金を抱えており、偽名被保険者証を使って信用情報を誤魔化し新たな借金を重ねていたのだ。もちろん詐欺罪で逮捕された。被保険者証の偽名記載をした役所側の違法性を検討したが、DV被害者保護のための行為であり不問となった。

 不当要求行為・行政対象暴力にも連想は及ぶが、長くなったので明日の記事にしよう。

 本日のヘッダ画像は羽田空港で見かけた富士山のゆるキャラ。

■本日摂取したオタク成分
『甲鉄城のカバネリ』第4~6話、ながら観であまり話が入ってこないが、クオリティの高さで雰囲気を楽しむ。『のんのんびより のんすとっぷ』第3話、これも安定のながら観。『ねほりんぱほりん』戸籍のない人、これは重くて観入ったわ。そういや確かに「誰も知らない」でyouがお母さんやってたな。『映像詩 宮沢賢治 銀河への旅』予約したつもりが前編後編連続のうち後編しか録れてなかった。『ホリミヤ』第2話、ほのぼの学園ラブコメディ路線は好き。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?