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0292:公務組織の縦割りと横の連携

 今日はボランティア団体の月例役員会、私も末席に参加した。

 席上、事務局が役所(私の元職場)に協力をお願いしてもあまりいい反応がなかった、との報告があった。それを受けた話し合いの中で「その役所はいわゆる縦割りが強くて、横の連携がほとんどできていない。でしょう?」と私に振られた。私はこれまでの職員経験を咄嗟に振り返り、有り体にこう応えた。

「人によりますね。連携するそれぞれの部署の窓口担当者の意識が前向きかどうか。両方揃えば連携は簡単だし、片方だけでも後ろ向きなら、ダメですね」

 自治体の縦割りにはいくつかの段階がある。大きなところでは、首長部局と教育委員会。中間では首長部局の部局間。小さなところでは部局内の課同士。今回は部局内連携に関連するお願いが担当課の(更に小さな)段階でさして検討もされずに蹴られたらしい。

 課は公務組織のある意味での最小単位だ。もちろんその下にラインやスタッフがあるのだが、その全ては所属長(課長)の意思決定により差配され、人事や予算も課の単位で組まれている。課長は部長・次長の統括を受け、部長は副知事・知事に指揮される。縦割りの利点は、このような組織構造の中で、それぞれに課されたミッションを単独で強力に果たす際に発揮される。課長の管轄下にある人事・財政のリソースを投入して一事に当たることができるのだ。

 もちろん、部長の強力な指令があれば、部内の関係課間の連携は決して難しいことではない。言い換えれば、トップダウンの連携は容易なのだ。これに対して、同じ部局内でもある課が別の課と連携しそれを部長に認めて貰うこと、言い換えればボトムアップの連携は手間がかかる。まずはそれぞれの課の担当グループ同士で話し合い、労務・財源リソースやミッションのバッティングなど課題を整理して、双方の課長が了承することが最低限必要だ。その上で、次長・部長に話を持って上がり、O.K.が得られてようやく連携のスタートを切ることができる。

 調整の手間・労力を「コスト」と捉えるならば、縦割りにはコストが掛からず、横の連携にはコストが掛かるわけだ。

 今回のケースもそうだが多くの場合、民間団体が役所に協力を働きかける時、所管課を窓口として担当者に話をする。軽微な事案は別として、担当者はそれを整理して課長まで持って上がり、課長を説得できれば上述の部内調整に入ることになる。その労務を引き受けて貰えるかどうかは、まずもって話の筋が良い(行政のミッションに馴染む)ことは前提として、後は担当者・担当係長次第だ。意識が前向きでも他の業務で手一杯(リソースが切迫している状況)なら対応は困難だろうし、意識が後ろ向きならリソースに余裕があったとしてもこれまでやらなかったことにコストを掛けることは忌避される。

 こうしたことを内心含意しながら、私は上記のようにシンプルに応えた。私に振った人(公益法人職員として行政との調整歴の長い人)は、「まあ9割は横の連携はしてもらえないね」といい、私は苦笑いするばかりだった。

■【累積5h30m】本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
今日も動画2本(倍速視聴)とチェック問題で実績90分。これを最低ラインとして(可能な日はこれ以上として)毎日こなす必要があるな。

■本日摂取したオタク成分(オタキングログ)
『86』第9~11話、前回まではいい加減に観てて、しばらく続きを観て無かった。今回掃除しながら割とちゃんと観たら、しまった面白い。12話は特別な扱いなのかな、録画し損ないAmazonPrimeでもやってないので観れてないが、一応11話で1期終了なのだろう。『進撃の巨人』第72~73話、原作読んでても緊迫。『月が導く異世界道中』第1話、絵は力入ってる、でも脚本(とそのコンテ化)が未整理でなんだか分かりにくい。『東京リベンジャーズ』第14話、安定のドキドキ展開。『ひぐらしのなく頃に 卒』第3話、ラストの梨花の自死シーンが陰惨で、たまたま一緒にいた次男が「こういうのを予告なしで見せられるのはやだ」すまん。『白い砂のアクアトープ』第1話、おお、丁寧だな。絵柄と落ち着いた展開からP.A.WORKSと予想したら当たった。

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