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十代の頃からアラカンの今に至るまで続いている趣味・小説創作。noteでエンターテインメント公務員小説「やくみん!お役所民族誌」執筆を開始したのを機に、そのドラフトやアイディアメモ…
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#悪質商法

0778:小説『やくみん! お役所民族誌』[23]

0778:小説『やくみん! お役所民族誌』[23]

第1話「香守茂乃は詐欺に遭い、香守みなもは卒論の題材を決める」
[23]澄舞と東京、姉と弟

<前回>

        *

 インターンシップ二日目午後。午前中に検討した法令違反事例をもとに30分ほどディスカッションを続けた頃、二階堂に電話が入った。
「ちょっと外します。その間、そうね、明日作る啓発素材について二人で相談してて」
 二階堂がパーティションの向こうに姿を消すと、みなもは隣の小室に

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0625:小説『やくみん! お役所民族誌』[20]

0625:小説『やくみん! お役所民族誌』[20]

第1話「香守茂乃は詐欺に遭い、香守みなもは卒論の題材を決める」
[20]生まれる接点

<前回>

        *

 朝9時、東京都北区王子。
 上埜勝(うえの・すぐる)──深網社内で哲さんと呼ばれる男のスマートフォンが鳴った時、彼は自宅マンションのアーロンチェアに深く身を委ねて読書中だった。家の中には他に誰もいない。女と同衾する部屋は都内に数カ所あり、別に確保しているここは彼一人の城だ。

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0432:やくみん覚え書き/さおだけ2本でニーキュッパ

 竿竹の訪問販売という古典的悪質商法で逮捕者が出た。「竿竹2本でニーキュッパ」と売り歩いて、2,980円だと思った人が声を掛けたら実は29,800円でキャンセルは効かないと凄み、物干し台込みで40万円で売りつけ立ち去ったという。もうほんと古典的押し売りだ。

 若い人は知らないかも知れないが、昔、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』という本がベストセラーになった。車で竿竹を安値販売してなぜ商売が成り

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0422:やくみん覚え書き/心を惹き付ける啓発

0422:やくみん覚え書き/心を惹き付ける啓発

 今日の「田村淳の訊きたい放題!」(東京MX)は、マルチ商法がメインテーマだった。具体的なテーマ名は「家族も友達も離れていく?若者に拡大!悪質マルチ商法 どう防ぐ?」、HPに概要がワンペーパーでまとめられている。

 私の住む澄舞県(のモデルである実在某県)では東京MXは入らないのだが、この番組は「エムキャス」で視聴可能だ。

 もともとは、2年前にこの番組でニセ科学問題を取り上げるというので、い

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