#28 ホルンを吹く直前にマウスピースを舐める件について

「舐める」という言葉をタイトルに使ったのが、この投稿を見てくれそうな方にどうかなとも思うのですが、これが真実なのでそのまま行きたいと思います。

以前、ホルンや金管楽器が鳴るための理論について説明をしました。

ベルヌーイの法則を使い、息を吹き入れて唇を振動させることで音が鳴るわけですが、そこで必要なのがちょっとの水分です。

振動を起こすには、水分があるのがよいのです。例えばオーボエのリード。水に浸けながら頃合いを見計らってますよね。あれは、振動を起こすのに重要なのです。

水分が抜けてカラッカラだと振動体はうまく振動してくれません。特にpなどの小さい音は、息のスピードで無理やり振動を起こすようなことができないので、振動体が鳴りやすい環境を事前に作ってあげる必要があります。

ホルンや金管楽器の振動体は、自分の唇です。これを振動させるのに、水分をうまく使うわけです。
これにはいろんな奏者の方のやり方があると思いますが、わたくしは、ホルンを吹く直前に一瞬だけペロッとマウスピースを舐めます。これだけ。

実はわたくし、このワザは自力で編み出しました。
長いホルン人生のどこで編み出したのかは全く覚えてないのですが、ある時に、それをやるかどうかで、音が出る確率の違いがかなりあることに気付いて、それからは常にマウスピースを舐める動作を続けていました。

そのあと、とある本を読んでいる時に、この水分と振動のことが書かれていて、「自分が無意識にやっていたことが理にかなっていたんだ!」と驚いたのを覚えています。

例えば、曲中の長い休みのあとは唇が乾くので要注意かもしれません。もしくは、本番のステージ上はスポットライトがあって暑く、より唇が乾燥しがちです。

そういったいろんな場面も含めて、精度高く楽器を吹くための一要素として捉えていただければと思います。

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