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#14 長い長いチューニング時間
わたくしが入っていた中学の吹奏楽部は、毎週土曜日午後が合奏と決まっていました。
午前中の授業が終わるとみんな音楽室に集まります。
合奏には広いスペースが必要なので、まず机を部屋から廊下に出して、椅子を並べたりと合奏の準備をしてから、お弁当を食べて、そして楽器を出して、いよいよ合奏の時間です。
合奏の前に行われるのがチューニング。
指揮台のところに先輩が一人立ち、ハーモニーディレクターとチューナーを駆使して1人1人音を合わせていきます。
チューニングとは、演奏者同士の微妙な音程の差を合わせる作業です。楽器や吹き方やその日の気温などにも音程は左右されるので、基準音にしっかり合わせることがとても重要なのです。
多いときは80人もいた部活で、さらに中学生なので当然みんな楽器が上手いわけではないので、チューニングも一苦労。全てが終わるまで30分〜1時間掛かるのです。その間、ずっとB♭を聴き続けるんですね。
わたくしとホルンのもう一人の同期は、この長くヒマな時間をどうしようかと考えた結果、チューニング当てっこゲームをやることにしたのでした。
やり方は簡単。
そのときB♭の音を出している人の音を聴いて、瞬時に基準音より高いか低いかをなんとなく考え、指で上か下かを指し示すのです。声を出すと実際のチューニングに邪魔になりますからね。
その後、指揮台に立っている先輩が「高い」「低い」と答えを言ってくれるので、それでゲームの勝者が決まります。それを30分〜1時間もやってました。わたくしたちにとって、チューニングは当てっこゲームでした。
コレ、最初は適当にやっていたのですが、段々耳が肥えてくるんですね。
基準音との違いをどう聴き分けるかがわかってくると、微妙な音程の違いさえも2人とも正解を出すようになり、段々このゲームがゲームとして成り立たなくなって、自然消滅していきました。
チューニング。
今は音合わせで瞬間的にやることが多いですが、基本は、じっくり耳を傾けることです。
その基礎を忘れないようにと思います。
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