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ダークUX - 短期的利益の追求による信頼の失墜 -

UXというワードを使ったネガティブな表現ですが、ダークUX=ダークなUIを用いたUXデザインと考えると、他の方も使っている”ダークパターン”という表現の方が適切だとは思います。もしくはそのまま”ダークUI”でしょうかね。言葉の定義はともかくとして、ダークパターンとは利用者に対して意図的に誤解させたり、意図しない操作を誘導するUIのことを指します。
大手ECサイトでも、無意識に有料会員サービスに登録させられたり、メルマガ登録させられるなどの例があります。これらは明らかに利用者のための仕様ではなく、提供者側の利益のためだけに考えられたUIとなります。ダークパターンを用いている大手ECサイトが今もなおサービスを継続しているように、その他に魅力があり、競合サービスでは得られない価値があるのであればあえて選ばれることもあります。UXはUIだけで決まるものではなく、これが継続利用を諦める理由になるとも言い切れないのが悲しいところです。

ダークパターンだけでは成立しない

ただし、大手サイトがやっているからといって、その考えをそのまま流用するのは危険です。短期的にはコンバージョンは上がるのでしょうが、類似サービスに対して提供価値や魅力のアドバンテージがなければユーザは離れていってしまいます。Webサイトやアプリはどの分野でも競合だらけで、乗り換え候補はいくらでもあります。一度購入したら簡単には買い換えられないハードとは異なり、簡単に他サービスに乗り換えられる環境が整っています。一度離れたユーザが他サービスに満足してしまったら、彼らを呼び戻すのは容易ではありません。本人の経験だけでなく、その情報は一気に他者へと共有されてしまいます。短期的な利益のために用いたダークパターンが利用者の信頼を無くし、やがて使われないサービスとなってしまいます。

UXデザインはユーザのためだけではない

UXデザインは日程やコストを圧迫するだけで提供者側にはデメリットが多いと言われることがあります(稀にですが)。ユーザのため”だけ”に必要なことだと捉えられ、提供者側の利益につながることをイメージしにくいのかもしれません。提供者の利益を考えるからこそUXをデザインするのであり、日程やコスト、コンバージョンや利益などを度外視して考えることはUXデザインではありません。いくらユーザにメリットがあってもです。利益がなければビジネスを継続できないわけですし、継続できなければ期待しているユーザを裏切ることにもなります。

UXデザインも利益につながるわけですから、ダークパターンに頼らず正攻法で努力することが望まれます。当然ながら、やり方とかツールとか、なんとなくUXデザインを取り入れてビジネスが成功するなんて世界でもありません。ユーザのことだけではなく、企業やビジネスレベルでUXデザインを考えてみると、私も知識や経験値をもっと増やしていかなければならないと思います。世の中はものすごいスピードで変化していきますし日々勉強ですね。

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