【あやしい絵展】湯気とともに物語が立ちのぼるカップ
みなさまこんにちは、ミュージアム部のmitu.です。
「あやしい絵展」とのコラボグッズ「障子の向こうからあやしくのぞくレターセット」に続き、本日は２つめのコラボグッズのご紹介です。
鬼才オーブリー・ビアズリーが描くペン画
今回のコラボ企画、２つめの作品として私が選んだのが、オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」のワンシーンを、オーブリー・ビアズリーが描いたこちらの作品。
オーブリー・ビアズリー 《 オスカー・ワイルド 「サロメ」 より 「おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン」 (『ザ・ステューディオ』創刊号挿図) 》 東京国立近代美術館蔵
1893年にパリで出版されたフランス語の戯曲を読んだビアズリーが、自発的に描いたもので、雑誌『ザ・ステューディオ（The STUDIO）』に掲載されました。この作品をきっかけに、1894年に出版された英訳版には、ビアズリーの描いた挿絵が使われるのですが、今回の「あやしい絵展」では、きっかけとなった『ザ・ステューディオ』掲載分の作品を見ることができます。
闇から浮かび上がるサロメの世界
ヨカナーンの生首を手に持ち、口づけしようとするサロメ。サロメの恍惚とした表情や動きのある髪、ヨカナーンの生気を失った首と滴る血、背景に広がる孔雀の羽模様に、音楽のように流れる複数の線……観ているものを引き込みます。
そんな、ビアズリーの描くあやしい世界をマグカップにしてみました。
それがこちら！
黒い！！ この黒い中に配置した言葉。この言葉こそが、戯曲の中でのサロメの台詞であり、今回の作品にも描かれているのです。
J'ai baisé ta bouche Iokanaan, j'ai baisé ta bouche
：お前の口にくちづけしたよ、ヨカナーン、お前の口にくちづけしたのだよ
生首に口づけしながら（……怖）のこの台詞も、作品を楽しむための重要な要素として、闇の中からサロメの声が聞こえてくるかのように、デザインしました。
そして、このマグカップにお湯を注ぐと……
サロメの声が浮かぶ闇から、徐々にビアズリーの作品が……
完全に作品が現れました！
このカップは、何も入っていないとき（常温時）にはサロメの台詞を、お湯などを入れているとき（温かい時）にはビアズリーの作品を。２種類のデザインを楽しむことができるのです。
浮かびあがることで”あやしい”を表現
企画展のテーマ”あやしい”を表現するにあたり、この作品では、背景が戯曲であるということも大切にしたいと思いました。戯曲を読んでビアズリーが感銘を受けて描いたシーンが、まるで舞台の幕が上がるかのように登場。
”見えていなかったものが見えてくる・浮かびあがる”ことで、より「あやしさ」を感じていただきたいと思います。
作品の細部をご覧いただきけるよう、浮かびあがる絵は、かすれなども含め、できる限り再現するように努めています。
カップの底もお忘れなく。ヨカナーンの首から滴り落ちた血だまりから咲こうとする百合の花をプリントしました。
ぜひ、このマグカップで、作品のあやしさをご堪能ください。
湯気とともに物語が立ちのぼるカップ
１個 ￥2,400（＋10％ ￥2,640）
※こちらの商品は企画展会場特設ショップとオンラインストア「まいにち書房」での販売予定です。フェリシモでのお取り扱いはありません。
「あやしい絵展」では、「日本のビアズリー」と呼ばれていた橘小夢の作品も出品されるとのこと！楽しみです。
『あやしい絵展』
東京会場
会場：東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー ［北の丸公園・竹橋］
会期：2021年3月23日（火）～ 5月16日（日）
※「おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン」は、2021年3月23日～4月18日のみの期間限定展示となります。
大阪会場
会場：大阪歴史博物館（大阪府大阪市中央区大手前4丁目1-32）
会期：2021年7月3日（土）～ 8月15日（日）
※最新の情報は公式サイトでご確認ください。
そのほかのあやしい絵展コラボグッズはこちら（3/18追記）
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