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iPad Pro 10.5" (2017)とiPad Mini 7.9" (2019)の画面サイズ比較

iPadミニとiPad Pro10.5インチの画面サイズは2:1

モバイル用途のiPadを、10.5インチのプロから7.9インチのミニに替えました。画面サイズは面積比で10.5インチの方が34400平方ミリで、ミニの方が19200平方ミリ。このように書くとイメージが沸きにくいのですが、だいたいミニを縦に2枚を並べるとそのスクリーンサイズの合計が、10.5インチのスクリーンサイズに近くなります。

「iPad mini2枚ニアリイコールiPad Pro 10.5"1枚」と覚えておくとイメージが沸きます。実際の使用感もそんな感じです。

カニばりはじめる3者

最初のiPadが出た2010年頃からしばらくの間は、スマホ、タブレット、コンピューターの住み分けがはっきりしていました。小さなスマホ、大きなコンピューター、その中間のタブレットというヒエラルキーがありながら、それぞれの守備範囲はお互いに侵食しない。というよりも、スマホにできることはスマホにしかできず、コンピューターにしかできないことはタブレットではできないというアプリの互換性の問題とかがありました。図にすると、以下の上側の配列になります。丸が守備範囲で、それぞれ独立しているのがわかります。

Appleに関しては、2019年にiOSがiPhone用とiPad用に分化したことで、Apple製品3ラインにそれぞれ固有のOSがそろったことになります。iPhoneはiOS、iPadはiPad OS、MacはMac OSという組み合わせです。この動きは、3者の独立性をより強くするというよりは、より一層3者の立ち位置の境界線を曖昧にする方向で作用しています。たとえば、iPad OSが指向しているのは、iOSの軽量さや省電力を維持しつつも、iOSでは実現できないマルチタスキングなど、パソコンライクに使えるようにするための機能を実現するための「のれんわけ」に見えます。

一方、スマホはスマホで大画面化を進めてタブレットのいいところを貪欲に取り入れようとしていますし、Mac BookはCPUを自社製に切り替えてまでソフトとハードのマッチングをよりよくし省電力に寄与する改良を進めています。

ソフト、ハード両面から、3者がそれぞれの守備範囲を横にストレッチしているような感じですね。

たとえばMacの専売特許だったマルチタスキングは、iPadOSの登場でiPadでも使えるようになっています。具体的には2アプリを同時に使えるSplit Viewと、一つのアプリの上にレイヤーを重ねるようにもう一つアプリが開けるSlide Overの2機能があります。スプリットビューなどを使うと、二つのアプリを同時に開くことができ、アプリ間でデータのコピペなどができるようになっていてすごく便利です。

スマホ専用と思われている(自分だけ?)LINEも、実はiPad、Mac専用のアプリが出ています。これらを使うとフルキーボードでタイピングができるのでかなり快適になります。休日、カフェで作業でもしようかというときにはiPhoneは自宅に置いたままiPadだけで出かけても、LINE経由で家族や友人と連絡が取れます。これ結構便利。

ということを踏まえて、同じタブレット族に属しているiPad Mini 7.9" (308g)、iPad Pro 10.5" (477g)ですが、左側のiPhone寄りにストレッチしているのがMiniで、右側のMac寄りにストレッチしているのが10.5インチProな印象です(今のラインナップでいえば無印iPadやiPad Pro 11インチがそれにあたります)。

スマホに寄ったiPad Mini 7.9" (308g)

コートやジャケットのポケットに入るタブレットがiPad Mini 7.9" (308g)です。この「ポケットに入る」というのが、すでにスマホ的です。4:3の画面サイズのiPad Mini 7.9" (308g)は実面積こそスマホよりも広大ですが、16:9のアスペクト比の動画をみると実はスマホでもiPadミニでもそれほど変わらないというレビューも読んだことがありますが、実際iPadミニを横画面にしてみると画面の上下はブラックアウトされて何も表示されないので、実際動画が写っている部分の大きさは、iPadミニも大画面スマホでもそんなにかわらないのです。

しかしながらウェブサイトをブラウジングする際や、PDFファイルを閲覧するときなどは、4:3の画面サイズをフルに使えるので、スマホよりもずっと快適に使うことができます。それでいてポケットに入れたり、小さめの鞄に入れたりして気軽に持ち運ぶことができます。

このiPad Mini 7.9" (308g)、最近ではよく、登山に持ち出しています。箱根とか高尾山くらいをトレッキングする程度の山登りであれば多くのエリアで電波が拾えるし、バッテリーが死ぬほど冷え込むこともないので、山中でGPS地図が見られたりします。山頂で休憩中に、コーヒーを沸かすのを待つ間にKindleで読書をするなんてオツなこともできます。ザックのバックポケットからサッと出してぱっと使う、みたいな用途にはminiが適しているなあと痛感しています。折りたたんだ山岳地図や測量野帳と一緒にいれていてもフィット感が素晴らしい。

コンピューターに寄ったiPad Pro 10.5" (477g)

iPad Pro 12.9" (2018)も使っている身からすると、じつはiPad Pro 10.5" (2017)でも少し小さいなと感じることがあります。しかし10.5インチでも十分パソコン的に使えます。事実、Apple純正のスマートキーボードフォリオと組み合わせてラップトップ的に使っていた時期があります。

写真のように、Splitviewを使ってマルチタスキングを試みたとき、iPad Mini 7.9" (308g)だとアプリ一つ分の画面サイズは、スマホとあまり変わりません。それなりに見通しをよくしようとフォントのサイズを小さくすると読み取るのに苦労します。

そんな場合でもiPad Pro 10.5" (2017)ならば十分実用に耐える画面サイズがあり、Split Viewでのマルチタスキングにも耐える使い勝手を備えています。冒頭に書いたように、ミニ2枚分で、Pro10.5インチ1枚分の画面サイズです。単純に、2枚のミニを並べて作業ができる、って聞いただけでも快適だとおもいませんか?
欲張って、モバイル用途的なことにプラスしてもう少しラップトップ的な使い方がしたいという人にはミニよりも無印以上の画面サイズを備えたiPadをお勧めします。

まとめ

というわけで、同じiPadシリーズに属するミニとPro10.5インチですが、指向する方向は真逆です。似て非なるものと言ってもいいかもしれません。

カバンへの納まりが良いとか、手軽気軽に使いたいという向きにはiPad Mini 7.9" (308g)の方をお勧めします。電車の中で気軽に読む、ハイキングの途中で写真やルートを確認する、というような用途だとミニの方が快適に使えています。

一方、机に座って、キーボードなどもつないでそれなりに作業をする用途も想定している、というひとには無印以上の画面サイズがいいと思います。10.5インチProだとスプリットビューも使いこなせるのでだいぶ快適に使えます。

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