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「質より量」の読書は正義か

読書スタイルは人それぞれだけど

読書スタイルは人それぞれです。

たくさん読む人もいれば、同じ本を何度も味わうことも読書の楽しさの一つでしょう。
一言一句違わないはずなのに、人生の違うステージで昔読んだ本を再び手に取ると、全く違う解釈ができることもよくありますよね。自分の最近の経験では、夏目漱石の「こころ」がそんな感じです。高校生の課題図書で読んだときにはよくわからなかった「先生」の心情が、大人に社会のあれやこれや、男女関係のあれやこれやを経験してから再び巡り会ってみると、ほとんど別の作品のように、没入できたりします。

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じっくり・質 < スピード・量 

自分の読書スタイルは、学生時代には「じっくり読む派」でしたが、仕事で忙しくなってからは「じっくりを犠牲にして大量に読む派」に転向しています。読書のスピードと量を優先しています。

じっくりと味わう楽しみを犠牲にしてでも速読優先で大量読みするのはなぜか。一言で説明するならば、「そうしないと自分の知的好奇心の膨張スピードに追いつかないから」ということになります。簡単にいえば、知りたいことが次から次へと現れ、それにつれて読みたい本が次から次へと現れるということです。
記憶への定着は、頻度とフォーカスが大事。短い期間の中で、大量に、分野を絞って複数の書籍を読むと、その分野についての理解が進み、しかも忘れにくくなります。

もうひとつ。
最近とみに思うのは、時間の大切さです。

お金 < 時間 < プライムタイム

お金より時間が大切。分別ある大人が口を揃えていう言葉です。
実際その通りだなと思います。
もっと言うと、時間のなかでも、集中力が続くプライムタイムはさらに貴重です。「朝の静かな時間帯の生産性が高い」とよく言われるように、24時間は均等に重要なのではなく、「自分がフローに入れる」時間帯は最重要です。自分の場合は、それは1日のうち2時間あるかないか。
集中力という資源は有限。そのことを考えると、読むスピードが質に優先するのです。

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知識のネットワーク効果

ネットワーク効果の事例として、アマゾンのモデルがよく紹介されます。
品揃えが増える→
顧客が増える→
サプライヤーが増える→
さらに品揃えが増える ・・・

というように、ひとたびネットワークが好循環に入ると、その成長モデルが延々と続いていくというような意味合いです。

知識の獲得にも同じことが言えると思います。同じテーマで、異なる切り口で書かれたものをまとめ読みすると、そのテーマが立体的に見えてきます。予備知識がある分野を読むのと、そうでないものを読むのとでは、読むスピードが2倍くらい違ってきます。なので、同じテーマの本ならば、2冊目以降の読書にはドライブがかかってどんどん速読が利くようになります。なおかつ、そのテーマ内での知識の空白地帯を埋めていかれるようになるので、テーマAに関してはさらに詳しくなる。まさにネットワーク効果です。

ネットワーク効果を高めるのは、量です。たくさん読むことが、結局は質に繋がります。

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でも本当は、一冊の本をじっくり味わいながら読みたい。というのが本音です。いつか大金持ちになって、勉強しなくてもよい身分になったら。。。何を読もうかな。

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