見出し画像

麻雀に「流れ」ってあるの…?

※これは個人の見解です。

麻雀をやっているプレイヤーなら一度は考えたであろう、「麻雀に流れってあるの?」という疑問。これについての自分なりの見解を述べたいと思う。



麻雀は「選択」と「決断」の積み重ね

 麻雀は4人(または3人)で対戦する対人ゲームである。その中で、1巡ごとにどの牌を打牌するか、または副露するべきものがあるのかを常に思考していく。
 常に打ち手は「選択」を迫られ、限られた時間で「決断」しなければならない。正しい「選択」をし続けることが、自らの勝利のために、見ているファンのための期待に応えることにつながると思い、皆が研究を重ね、努力を積み上げていく。
 

 しかし、どんなに努力を重ねた人間であったとしても、時として人はその「決断」に悩み、時としてこのような苦悶の表情を浮かべる。

スクリーンショット 2020-03-26 09.50.20

(…にしてもイケメンですな、うっちー)

 その局面に、観ている私たちは人間のなすドラマに触れ、感動するのだ。

「正しい選択」とは何か

 では、「正しい選択」とは何なのかを考える必要がある。
 

 私が思う「正しい選択」とは、『自分のアガリ(トップ)に向かうためのルートを正確に拾うための選択』であり、『自分のアガリが見込めないときには、自身の失点を最小限にとどめるための選択』であり、『自身にとって有利な状況を形成するために必要な選択』である、と考える。
 外部の人間には邪道に思えるケイテン海底ずらし、あるいは他家へのアシストといった手段だとしても、それが勝利に結びつくための「正しい選択」だと対局空間にいる人間が「決断」したならば、それを実行すべきなのだ。


 「正しい選択」をするためには、必ずそれを支える根拠となる情報がいる。自身の手牌だけでなく、三者の河から得られる情報、さらには対戦者の表情やしぐさなど、4人だけが座する空間には様々な情報が見え隠れする。

画像2

Mリーグのスタジオ。大きい空間にたった一つの麻雀卓。空間には対局者4名のみ。それ以外には何もない。これもまた独特な雰囲気を醸し出し、視聴者を惹きつけているものだ。

「流れ」は存在するのか

 では、麻雀に「流れ」は存在するのか。私の結論は、『「流れ」は存在しているが、その正体はわからない』である。「流れ」が存在する理由はただ一つで、「対人ゲームであるから」だ。
 人間対人間のゲームである以上、必ずそこには展開のアヤといったものはありうるし、そこから主導権を一気に引き寄せる(失う)ことがある。人はその展開をまとめて「流れ」というのではないだろうか。
 

 しかし、「流れ」そのものの正体は、誰にも分からない。もし解明されたならば、それを利用した体系化した戦術が利用されるはずだが、そんなものはない。無論、「流れ」を数値化することなどもってのほかだ。

「流れ」が与える影響とは

 しかし、何度も強調しているが、麻雀は『「選択」と「決断」の繰り返し』のゲームだ。
 例えば、どんなに流れを引き寄せている人も、逆に流れを失っている人も、同じアガリ形ならば点数は同じであるように、同じ結果ならば流れの状態に関係なくどんな人も同じ結果を迎える
 また、選択によって得られる点数の期待値や確率は「流れ」に依存することはない。例えば、ある局面において役牌をポンしたほうがスルーするより点数期待値が高いという状況があったとして、これは流れの有無にかかわらず不変である。だから、「流れがいいからメンゼンでいく」「流れが悪いから仕掛けを入れる」といった思考は不適切だ。

 ここまでいうと、「流れ」があることと矛盾するじゃないか!と思う方もいるかもしれない。

 しかし、『「流れ」は、「プレイヤーが選択をするときに何かしらの影響を与えている」』のではないだろうか。

 実は、これこそが私が最も伝えたかったことなのだ。

 「流れ」がよくないプレイヤーは、「正しい選択」を選ぶ可能性が少し減ってしまったり、「正しい選択」ができたとしても、最後のリーチ抽選で負けてしまうこともあるかもしれない。

 「流れ」を引き寄せているプレイヤーは、「正しい選択」を選べる可能性が少し高まったり、仮に「正しい選択」を選べていなかったとしても、他者が「正しい選択」ができなかったために、自分のミスをリカバリーできるための時間が生まれるかもしれない。

さいごに

 私は「デジタル派」でも「オカルト派」でもない。両極端な思考ばかりがもてはやされ、対極の思考の人間によって非難されてきた。私の意見は中途半端にも思えるかもしれない。
 しかし、「選択」と「決断」の積み重ねであるゲームである麻雀を、必ずしも正確に選び続けるわけではない人間がする以上、何かしらの綻びやスキが生じる。人はそれを「流れ」と呼ぶのではなかろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?