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架空小説書き出し、ときに小説内にありそうな一節⑤

年齢的にも体幹を鍛えねばならないし、事務所の入口の前面に座っている者としてはいつお客さんが入ってくるとも限らない、やはり背筋を伸ばしてキリリとしていなければならない。

友里恵はチェアと自分の腰の間に高反発クッションを置いている。この高反発クッションがなかなか良くて、丸くなりがちな腰がピンと立つ。

でも・・・今日は腰を立たせているのも億劫。台風が近づいてるせいなのか、夜中に中途覚醒してしまったせいで調子が出ないのか、友里恵はクッションをお腹とデスクの間に回し、腰を存分に緩めた。

チェアの背もたれに背中がゆっくりと沈み、腰も尻へ沈んでいく。

「あぁ・・・最高・・・」

腹とデスクの間にあるクッションが愛おしい。
なぜ君はこんなにも私に安心感を与えてくれるのか。
背中側もお腹側も空間がなく、何かに密着している感覚。

たとえばベッドに大の字になって寝ていても、ふとタオルケットをかけてもらうとなんともいえない安心感で満たされ、絶頂感さえ覚える。

身体というのは本当に不思議だ。自由に動き回りたいくせに、何かに包まれたり密着されるとすごく気持ちがいい。

満員電車なんかは非常に不快だし、一人でも傍若無人な人がいると絶望感さえ感じるが、たまに同じレベル(といったらなんだが、要するにマナーのある人)が、し~んとした中、それぞれが本を読んだり音楽を聴いたりして個人の世界に没入していると、逆に変な一体感が生まれ、背中同士が密着していても太ももがこすれあってもなぜかそれが心地よく感じたりもする。

友里恵はそんなことを考えながら、今日も一日なにごともなく平和に過ごせることを願う。

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この小説の文章のタイトルを考えてくださいとChatGPTにお願いしたら「ポリシーに違反している可能性がある」というような赤字メッセージが出てきた。

えー、なんでしょう?小説のタイトルという部分が著作権侵害とみなされたのだろうか?自分の文章なのにな~。これからは「このブログのタイトルを考えてください」してみようっと。

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