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『cocoon』

先日、『cocoon』という作品を観た。
今日マチ子さん原作の演劇。
マームとジプシーの作品は好きで何本か観ていて、念願叶っての観劇だった。
しかも、大好きな彩の国さいたま芸術劇場で。

2年前に再演決定のニュースを見て以来、ずっと心待ちにしていた。
この2年間を経て、自分がどのように感じるのかといったことも含めて、どきどきしながら劇場へ向かった。

劇場に足を踏み入れた瞬間、目に飛び込んできた「cocoon」というワード

舞台上を軽やかに駆け回る少女たちの「いっせーのーせ!」に含まれたせつなさと瑞々しさ、そして純粋さ

シンプルだけれど、どこか儚い舞台装置や小道具に衣装
研ぎ澄まされたことばと音楽

根底に横たわるのは「戦争」であるのに、わたしは終始、うつくしいと感じていた。
ただ、舞台上の美しさに対して、という意味ではなく、少女たちの生への真っ直ぐな姿に対して、うつくしいと感じていたのだと思う。

今の自分の心理状態もあるのだろうけれど、すごく、研ぎ澄まされた気持ちになった。

そして、戦争を知らないわたしにとって、静かに(穏やかに)リアリティを与えてくれる作品だった。

戦争ものってどうしたって、涙を促すような演出がどかんと一発、含まれてしまうものだという認識があったけれど、『cocoon』はそんなことなくて、すっと、戦争を、“ひとつの物語の中の事実”として受け止めることができた。


また観たいな。

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