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スター・ウォーズ ゲーム研究本を出すために 第9回 待ち望んでいたハイクオリティスター・ウォーズフライトシム『Star Wars:スコードロン』

■『Star Wars:スコードロン』(2020年)



スター・ウォーズゲームはフライトシミュレーターから始まっている。それは1982年のパーカー・ブラザーズ社からATARI 2600に向けて発売された『Star Wars: The Empire Strikes Back』や1983年のATARI『STAR WARS』にまで遡る。


今ほどゲームのグラフィックやシステム構築が高度でなかった黎明期はシューティングゲームの方が作りやすかったから。というのも理由としてあげられそうだが『ピットフォール』というアクションゲームもあるので『エピソード4 新たなる希望』をベースに作ろうと思えば作れなくはなかったはずだ。また1980年には『エピソード5 帝国の逆襲』が公開されているので頑張ればダース・ベイダー対ルーク・スカイウォーカーをテーマにしたゲームも作れなくはないと思う。


あの『エピソード4』でルーク・スカイウォーカーのXウィングファイターに乗ってデス・スターを破壊する。『エピソード4』のアクションシーンにおいて最大の見所を再現したい。ここにスター・ウォーズゲームを作るクリエイターはロマンを抱いて制作に臨んでいる。それは今でも受け継がれている。ゲームの技術が上がればよりその追体験を映画に近づけていきたいとクリエイターは挑戦し続けてきた。これからまた紹介していくが『X-ウィングファイター』や『タイ・ファイター』『ローグスコードロン』シリーズ『ジェダイ・スターファイター』なんならスター・ウォーズゲームはライトセーバーファイトとスターファイターフライトシミュレーションどちらが多いかなんて調べたらフライトシムのほうが多いんじゃないか?


『Star Wars:スコードロン』はそんな思いから40年かけて誕生した最高級のスター・ウォーズスターファイターフライトシミュレーションゲーム。開発はEA傘下のモーティブスタジオ(Motive Studios)。カナダ系の開発スタジオで2017年版の『スター・ウォーズ バトルフロント2』のフライトコンバットパートを手掛けたスタジオだ。

この時期はマイクロソフトの『Microsoft Flight Simulator』(2020年)や『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』が前年に発売されていたこともあってフライトシミュレーターの注目度がかなり高く、『スコードロン』はあの栄光の『スター・ウォーズ』を題材にしたSFフライトシミュレーターゲームとしてそのあたりのマニアに高い注目を浴びていた。ましてや40年越しの高度なシミュレートが施されたスペースフライトゲームが誕生するというのはファンにとって感慨深いものだった。


ストーリーは『エピソード6 ジェダイの帰還』の後の話で、EA版『バトルフロント』で描かれた帝国が完全に壊滅することとなった「ジャクーの戦い」より前の時期になる。プロローグは初代デス・スターがオルデランを破壊した後に難民となったオルデランの民を輸送している護送船団を徹底的に破壊する命令をベイダーが下す。これに帝国軍兵士としてプレイヤーが参加するのだが、次のシーンでは反乱同盟軍の兵士としてX-ウィングに搭乗して護送船団を守るというミッションに切り替わる。


このように用意されている大筋のストーリーに対して帝国軍と反乱軍のそれぞれの視点に立ってそれぞれの機体で与えられたミッションをストーリーに沿ってこなしていくというのがストーリーモードの流れになる。こんな状態のミッションが15個くらいあるのでキャラクターに感情移入は全くできない。まぁルークやベイダーのようなアイコニックなキャラクターとは違って飛ぶことに長けた一般兵の物語なのでプレイヤーが主人公と考えたら納得がいく。


さて、肝心のフライトコンバットはどんな感じかというと、これに関しては流石としか言いようが無いほど「スター・ウォーズ」を感じさせてくれる高度なシミュレーションになっていると思う。フライト中の様々なアクションは映画シリーズからスピンオフのアニメ作品まで見ることができたアクションを行うことができた。『エピソード8 最後のジェダイ』でポー・ダメロンが見せたドリフトターンのような飛行さえ可能だ。

他にも映画でよく見た「シールドを後方に集中させる」など、状況に合わせた戦術ができるようにプレイヤーに様々な選択肢を用意している。

ただ、これだけ高度な戦術をプレイヤーに用意しているということは、逆をいうと操作が煩雑でややこしいということだ。このゲームには導入としてストーリーを楽しみながら操作方法をベテランパイロットに教えるチャプターも用意されているが、レールアトラクションのように一回流したらそこでオシマイとなるので、この一回で頭に叩き込む他ない。

まぁそれも無理な話でストーリーが進むにつれて操作を覚えるどころか、最初のあたりに覚えた最低限の操作でフライトコンバットを行うことになることになってしまいがちなので人によっては「ゲキムズフライトコンバットゲーム」をプレイさせられることになる。当然、スペースデブリや小惑星なんかに触れたら即死なので飛ぶだけでも精一杯なんてこともある。そのあたりは他の『エースコンバット』みたいなゲームと比べたら難易度はかなり高めかもしれない。余談だけど、この手のシミュレーションゲームって昔のゲームほど簡単でハードスペックが上がると劇的に難しくなっていると思うのは僕だけだろうか?

また、これは日本語限定なのだが、このゲームには吹き替え音声なるものは収録されておらずすべて字幕となっている。EA版『バトルフロント』はあったのに・・・。そのためすべてのミッション情報はゲーム画面の下部にある字幕を頼りにするので、すこしでも聞き漏らしならぬ読み漏らしをするとミッションの状況がわからなくなってしまうと「何をすりゃ良いんだ?」状態に陥りがちになる。


フライトコンバット系ゲームであるあるなのが「風景があまり変わらない」というゲーム置いて最大のマイナスポイントがあること。これは人の感受性にもよるだろうが、このゲームに限って言うとひたすらだだっ広い宇宙空間を縦横無尽に飛べるのは良いものの、どのステージもあまり風景が代わり映えしないというのも辛い。


とまぁここまで愚痴めいたものを書いたが、ストーリーモードよりもオンライン対戦が面白かったのは間違いない。逆にストーリーモードに力を入れてボリュームを多くせずにもっと低価格で出せるようにコンパクトにした方が受けが良かったんじゃないかな。

あとこのゲーム最大の失敗点は「デス・スター攻防戦」を用意しなかったところ。ルークやベイダーを出せなかった理由があるんだろうけど、そのせいでスター・ウォーズゲームのお決まりがこのハイクオリティなゲームでできなかったのは評価を落とすことになったかと・・・


現在Steamやコンシューマーのディスク版だと比較的安価で変えるので興味があればこのタイミングで買ってみるのもあり。


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『Star Wars:スコードロン』


ジャンル:シフライトコンバットシミュレーションゲーム

対応機種: PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series S/X、Steam、Epic Games

開発元: Motive Studios

発売元: エレクトロニック・アーツ

発売日:2020年10月



次回以降も書いていくので支援をお願いします。

また、私も全てのスター・ウォーズゲームを持っているわけではないので、譲っていただける方募集します。

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hata.fuminobu@gmail.com

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