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そもそも、ロジカルなヒアリングって?

こんにちは。
本日は、ビジネススキルの基本でもあるヒアリングについてまとめていきます。

主に商談の場を想定していますが、クレーム対応やプロジェクトマネジメント、家庭でのあれこれ…など
いろいろなシーンで使えるスキルだと思うので、ぜひ御覧ください!


ヒアリング

そもそも、なぜヒアリングが重要なのでしょうか?

営業は、売り込むことよりもお客様のニーズを満たすことのほうが重要です。

最近話題になった「AIを説得せよ

こちら、期間限定ですが、とてもおもしろい企画でした。
「本を買うなら電子書籍派」なAIを説得し、紙の本を好きにさせて下さい。

というテーマで、AIを説得するというチャレンジなのですが「どれだけロジカルに説得を試みても失敗」します。

一方、AIの想定されているパーソナル設定「インテリアに興味がある」という設定に関連する提案…
本を飾る、本棚をインテリアにするなどの答えに関連する提案を行うと、一回目の投稿で納得してくれる。というものでした。

電子書籍 or 紙の本ではなく、そもそもこの人ってなんのために本を読むの?この人って何が好きなの?という観点で考えるとクリアに近づく。というものですね。
※詳細は提供元へ

ここから感じたのが、ロジカルシンキング、営業トーク力では「説得」はできても
人の心がうごく「納得」は難しく、なかなか相手は動きません。
(今回はAIですが…)

心を動かす商談のためのヒアリングで大切なのは、フィールドや視座を一個上げる事です。
以前、リーガルマインドとしても書かせていただきましたが「そもそも」に立ち返るという事。

よく視座を上げるや、Asis-Tobeなどのフレームで言われるようなことと同義です。

この、「そもそも」がロジカルヒアリングの第一歩、最重要キーワードになります。

3つの視


https://www.mc-takagi.co.jp/blog/4776/

3つの視についてみていきましょう。ビジネスでよく言われるこの3つの視。

視点
物事を見る時に意識すること、着目するポイント

視野
物事の思考や選択肢の幅、広さ

視座
物事をどの高さから見るのか

分かりやすく「新規獲得営業に困っている」というお悩みを持ったお客様と会話するシーンで見てみましょう。


"新規獲得営業に困っている"の3視

視点
新規獲得営業で具体的にどのような点で困っているのか?
営業スキル?競合対策?失注理由はなに?...

視野
新規獲得営業、その他どの領域で困っているのか
マーケティング?インサイドセールス?フィールドセールス?など

視座
どの視点で困っているのか?
現場レベルでのクロージング?マネジメントレベルでの営業戦略?経営レベルでの経営戦略?

これら全ては大切ですが、最も重要なものが視座です。

よく、ヒアリング=深掘りと安直に考えがちな方がいますが
ヒアリングの真髄は深掘りではありません。

そもそも、深掘り深掘りいっている営業に限って深掘りはしておらず自己満尋問のような形になっているケースが多いです。

「○○って事ですよね?→はい (よし、ヒアリング成功、スコープ決まった)」

これは仮説思考でもなく、ヒアリングでもないと思います。

そもそも、深掘りをするポイントが議論の土台に上がっている内容、範囲で良いのか?
そもそも、今の情報のみでヒアリングができるのか?
そもそも、これってなんのため?

ヒアリングの前に「そもそも」といつ思考を入れ、議論のフィールドを一つ上に上げる。
スコープを大きく抽象的にするとも言えるでしょう。深掘りとは真逆です。

しかし、この広げるというステップがなければ、深掘るべきポイントも明確になりません。

これを広げるという観点で、視座を上げる。という考えが重要になります。

ビジネスにおいて視座を上げる思考は簡単です。

視座を上げる思考の例

・経営者だったら?
・株主だったら?
・あなたが○○を上司に報告するなら?
・お金、時間などの制約なしに考えるなら?
・いま、xxx名の方を自由に操れるとしたら?
・一日だけ市場を独占できたら?
・法律を変えることができたら?

など。
ロールや与えられている権限責任を上げるという観点や、お金や時間、法律などの制約を取り払うという観点。

この2つのポイントで考えると視座を上げることができます。

実際はより多くのやり方やトレーニングがありますが、まず最初に取り組むには上記のポイントが簡単で取り組みやすいでしょう。

新人の方から、ベテランの方まで、上記の思考を意識すると意外と簡単に視座を上げていくことができます。

次に、有名なフレームワークであるAsis-Tobe

Asis-Tobe


※いつもお世話になっているラクプレ様から拝借しました。

これも、ヒアリングで大切なそもそもに通じます。

いま○○に困っていて、XXをしたいんだよね。
○○が大変だから、いますぐXXしたい!
XXしたいんだよねー。

こういった、営業としては「よっしゃ!」となるシーン、経験があると思います。

でも…
お客様:いま○○(あなたの製品)を検討していてー。
営業:ありがとうございます!なにかお困りのこととかあるんですか?
お客様:実はいまー...
営業:なるほど!それでしたらこの機能で...

売りたくなる気持ちは分かりますが、もちろんこれはNGです。

「そもそも」なんでこれを検討しているのか?
「そもそも」なんのためにこれを検討しているのか?
「そもそも」どうなるために検討しているのか?
「そもそも」これを検討する必要があるのか?

深掘りする前に、これらの思考で考えます。

大型プロジェクトなどでは、Asis=現状をしっかり整理する必要があります。SWOTや3Cなどで整理するケースも多いでしょう。

しかし、お客様がどうなりたいのか。商談の場においてはこちらをヒアリングした方が間違いなく良いです。

理由はシンプル。
人は今の話をするよりも自分の理想の未来やあるべき姿を話す方が楽しいからです。

信頼関係とか営業の印象という点でも、大切です。

そもそもTobeヒアリング

同じ粒度での質問でも
うちのことを尋問の様に聞かれた、質問攻めされたという印象を与えるAsisの深掘りより、

将来どうなるのか、どうなりたいのか困っていることが整理できた。
これからどうするべきかの道筋が見えた。
未来を想像してワクワクすることができた。

となる広げたTobeの深掘りの方が当然与える印象は良いです。

どうするか分からない、今の整理ができていないという方は多いでしょう。
ですが、解像度はさておき「こうなりたい!」と思っている方は多いです。

そもそも、こうなりたい!というイメージが皆無の方は商談の場に出てきません。
どうなりたいか、どうするべきか分からないんだよねー。という方でも「みんなのためになりたい」とかのふわっとした理想はあるはずです。

この理想をそもそもの観点で広げ、深掘りする方が、ヒアリングとしては効果的です。

どうなりたいのか?ここのゴールが見えるのと見えないので、現状(As-is)のヒアリング内容も変わってきます。
また、ワクワクする様な理想の姿であるTobeをヒアリングすることで、お客様のほうから自然と現状もお話しいただけます。

聞いて出てくる話より、相手から能動的に話してくれる話の方が優先度が高いテーマです。

無理矢理ヒアリングをして、検討優先度を上げていくより
こちらのそもそもTobeヒアリングをしたほうが、後のフェーズで出てくる優先度を上げる交渉プレゼンの工数を削減することができます。

お客様もわくわくでき、営業も良い印象を与えながら、フェーズ削減しつつ受注に向かうことができる。

これを可能にするのがそもそもTobeヒアリングです。

ヒアリングシートや、質問集を作っている、作ろうとしている方も多いでしょう。
正直、そこまで重要だとは思いません。

なぜなら、質問マシーンになり「聞くことが目的」になるからです。
ただ、定量的に言われたことを聞くという状況あれば問題ありません。

しかし、ヒアリングをした後に提案をする、支援をする等という発展する業務がある場合、ヒアリングシートがなくても良いケースは往々にしてあると思います。

そもそも「そもそも」ってなに?


紹介した、視座を上げる、Tobeからヒアリングする。

この2点と合わせて大切なのがお話していたそもそもの観点です。
そもそもとは「相手のバックグラウンドを把握する」ワードです。

どのバッグを買おうかな?
→バッグ悩んでるんだね!どんな使い方したいの?
そもそも、なんで買うの?

旅行はどこにいこうかな?
→旅行いいね!今回はどんな旅行なの?
そもそもなんで旅行なの?

車買いたいんだよね
→そうなんだね!なんかきっかけってあったの?
そもそも必要なの?

そもそも、だけだと冷たい印象になるシーンもあります...
が、上記のようにそもそもを言い換えて伝える事で、相手の背景や目的を聞く事ができます。

これが大切です。
上記をそもそもなんで?の視点で見ると

バッグが欲しい:そもそもなんで?
→プレゼント?自分用?お出かけ用?普段用?アウトドア用?

旅行行きたい:そもそもなんで?
→一人旅、友だちに会いに、記念日で、家族サービス、親孝行

車欲しい:そもそもなんで?
→通勤用、趣味用、買い物用、デート用、税金対策

なんで?の質問だけでも多くのパターンが想定されます。

ヒアリングに慣れている方は、ある程度会話の目的や流れに合わせて自然とヒアリングすることができますが、慣れていないや緊張をしていると変な方向に行ってしまったり、どうでもいい箇所を深掘りしてしまいます。

ヒアリングとは、営業の全てです。
このヒアリングの質が低い、必要な事が聞けていない、悪印象を与える、ヒアリングポイントが間違っている...

これらヒアリングのミスは商談のミスになり得ます。

商談の場であればなおさら「そもそも」の思考を持って考え質問する。

・そもそもなんで検討するのか
・そもそも導入する必要あるのか
・そもそもなんでうちなのか
・そもそもなんでいまなのか

課題を聞いて売りに行くより、そもそも思考でヒアリングをしていくとお客様にとって必要ではないかもしれません。
反対に、お客様にとってはいますぐに高価格でも必要になるかもしれません。

相手の背景を知らない商談はリスクです。
そんな商談リスクを最小限にし、思考の幅を広げるという点でつかえるキーワードが「そもそも」です。

ヒアリングが苦手な方は今回のそもそもTobeヒアリングをためしてみてくだ。

一定の質を上げ、必要な事の上流を聞き良い印象を与える。
ヒアリングポイントが間違っていても方向修正ができる。
俯瞰して物事を見ることができる。

多くのメリットがありますが、ここでは語りません。
ぜひ、ご自身で実践してこの「そもそも」思考を自分のものにしていただけますと幸いです。

以上です。
今日は簡単にヒアリングで考えていることをまとめてみました。

書きたいように書いたのでまとまっていない部分もありますが。。。
参考にしていただけると幸いです。

では、またお会いしましょう!
お疲れ様でした!



というか営業はこのフレームを理解して使いこなすだけでトップ層に近づくことができます。
使っているつもりではなく、使いこなす。これができればミドル〜アッパー層に行けるのがこのフレームワークです。

知ってるよ!分かっているよ!と言われますが、これを知っている、理解している、普段の思考に組み込まれているでは全く意味が異なります。

そもそも、思考フレームなどの共通して言えますが、知っているだけでは意味がありません。
知り、理解し、日常の思考パターンとして組み込まれる。
ここまでして初めて使える知識となります。

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