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【ネタバレ有】機動戦士ガンダム SEED FREEDOMを観て首を傾げたこと。

 この投稿には、ネタバレが多数含まれています。未視聴の方は、ぜひ視聴後にお目を通していただければ幸いです。
 また、筆者は本作を一度観ただけであり、TV放映版のSEED、SEED DESTINYは視聴したものの、小説などの媒体には手を出していません。そのため、詳しい方からすれば「それは違うよ!」と思うところもあるかもしれません。そういった場合にはコメント等でご指摘もらえたら嬉しいです。
 では、以下…

 ネタバレあります!

 ネタバレあります!!

 ネタバレあります!!!

 ということで、書き連ねていきます。


1. キラ生存に驚く?

 前半で、キラは撃墜されました。しかしそこにアスランが助けに入り、ブラックナイトたちは「時間だ」と撤退していきます。彼らは時間を気にして、キラに止めを刺さなかった。それはいいんです。
 でも、それなら。どうして後半で、キラが生きていることにそんな驚いたのか? 止め刺さずに撤退したよね君たち? と思うわけです。

2. ミーアの扱い

 ファウンデーションの街頭テレビで、一瞬ですがミーアのライブ映像が映っていました。2年も前に死んだ人物の映像を流すのは、レアケースだと思います。例えば歌番組での振り返り、例えば命日で追悼など、そういった事情ならわかりますが、特にそれを示唆する演出はなかったような…。
 おりしも、その日はラクスたちを迎える日。「偽物」の映像を目につくところに流すのは、礼を欠くのでは? とすると、もしかしてファウンデーションの民はライブで唄っていたミーアを未だにラクスだと信じているのでしょうか…?
 判断に迷うところです。

3. アスランの妄想戦闘

 心を読まれてもいいように、と対策するのは素晴らしいと思います。そして、実際に攻撃されたときにはちゃんと「よけようとする」思考を読まれているのもいい。いくらリモートでカガリが操縦するといっても、目の前で武器をふるわれれば、とっさに防御を考えるもの。と、納得のいく演出でした。
 問題はここからで…「もしアスランの防御イメージとカガリの操縦が一致したらアスラン死んでたのでは?」ということです。目前からの白兵攻撃に対し、可能な防御は限られます。右によける、左によける、伏せてかわす、ジャンプで飛びのく、手持ちの武器で受ける、など…考えればいくらか思いつきますが、それが仮に10通りだとしたら、2d10でゾロ目が出る確率で「同じ防御をしてしまう」わけです。
 もちろん「アスランはこういうときいつも右側によける」とカガリが熟知していれば話は別ですが、もしそうならそれを示唆する伏線はそれまでに張っておくべきだったのでは…?

4. キラの精神対策

 何も考えず、敵を倒すという思いだけで戦うシン、妄想でカウンターを見舞うアスラン。この2名と比べ、キラはどういった対策を行ったのでしょうか? これがわからない。
 他の人たちと違い、キラは前半で明確に精神攻撃され、ラインを越えてしまうという失態を余儀なくされました。その後の戦闘では数の暴力なのはあれど、ぼこぼこにされました。作中、キラが一番、精神攻撃を脅威に思っている…はずです。
 で、その対策は何だったのでしょうか…?

5. 敵が小者すぎる

 デスティニープランは、完璧に実行されたら、もしかしたら本当に戦争なくなるかも?と思わせてくれました。もちろんリアルに考えれば「遺伝子にそこまでパワーないよ!」となるでしょうけれど、SEED世界だったらワンチャンあるのでは、と。
 少なくともキラは前半そう悩んでいたように見えます。キラがそう考えるということは、SEED世界的に「可能性はありそう」なものだった、と言ってよいでしょう。
 しかしそのデスティニープランを「引き継いだ」とは名ばかりの、「美味しいとこだけつまみ食いして利用しよう」とするファウンデーションがあまりにお粗末に見えるのです。

5-1. アウラ女帝

 見た目は子供、中身は50歳…らしい。
 嘘でしょ、中身も子供だよね?と、みなさん思ったのではないでしょうか。レクイエムのターゲットを発射直前にミレニアムへ変更させたのは最たるものですが、それ以外にも「見た目通りの子供」っぽい演出が見られた感があります。ほんとに50歳? ねぇ?

5-2. 核とレクイエム

 デュランダル議長と比べると、明らかに「ほいほい撃ちそう」な印象が強すぎる。そのせいで「デスティニープランの可能性に賭けるべきか?」という葛藤よりも、「あんなやべー連中に刃物持たせちゃダメ」が先に来る。「デスティニープラン導入したら自由恋愛できないよ?」より「連中を野放しにしてたらいつレクイエムで焼かれるかわからないよ?」の方が万人受けしそうな説得に見えちゃう。
 観たかったのは「自由がない以外は完璧な(ように見える)世界」と「不完全がすぎても自由だけはある世界」、どちらをどのような思考の末に選ぶか、だったんですよね…。

5-3. イングリット

 彼女に限らず、アウラの周囲を固めるネームドたちはみんな、アウラに造られて純粋培養された…で、いいんですよね?
 という前提においてですが、彼女がオルフェ好き好きモードな時点で、アコード生まれ・アコード育ちでも感情は思い通りにならないことが序盤から提示されてる。デスティニープランはともかく、アウラたちが掲げるデスティニープランの皮をかぶっただけの独裁社会は、あ、これダメなやつ、と思わせてくれます。
 デスティニープラン頓挫の「後」の計画である以上、デスティニープランより隙のない魅力的な計画であってほしかったのだけれど…実際はこうです。

5-4. アコード

 みんなして実に「感情的な」存在に見えました。感情を殺してでも的確・適切な行動をとることこそが、戦争のない世界を生み出す「可能性がある」のだと思っていたのですが…。
 この描写により、世界の全員がアコードになっても、感情の赴くままにぶつかりあい、また戦争をするだろうという確信が持てました。どっちにしても戦争するなら、自由がないよりある方がいいよね。ってなる。ここでも、彼らは「新世界の魅力」の提示に失敗してるわけです。
 ま、彼らにすれば「魅力的に見せて選ばせる」のではなく「選ばないなら殺すよ」という脅迫なわけですから、どうでもいいのでしょうけど…1視聴者として観たかったのはそうじゃない、んですよね。
 少数のアコードが多数のその他を統治する? それもやっぱり、アコードへの反発で、延々と内乱が続く未来が見えます。アコードたちが提示したのは「力に屈服せよ」ですからね…。

6. 愛は勝つ

 結論がそれなのは、別にいいんです。使い古された、と言えばそうですが、使い古されるほど愛されてきた手法、なわけですから。愛があれば、相手の心を読むようなチート級の敵にも勝てる。それもいいでしょう。
 ただ、ただね? キラとラクスがお互いを愛する、それを邪魔するなら世界が戦争を繰り返してもいいから排除する、でもそこ(戦争)から逃げない…という結論であるならば。最後は裸の海でじゃなく、戦争を繰り返す戦場に向かう姿であってほしかった…と思うのです。

まとめ

 というわけで、1回観て、ん…?と思ったことをつらつらと書き連ねてみました。そういう視点もあるよなぁ、くらいにでも、気に留めてもらえたら光栄です。

蛇足

 もし筆者がこの展開でラストを描くとしたら?

 キラとラクスのラブ攻撃に、絶体絶命まで追い込まれて止めを刺されそうになるオルフェ。オルフェへの愛ゆえに、彼を殺されたくないイングリットが、操縦を奪って止めの一撃を回避し、反撃する。その戦いから、実はイングリットに愛されていたと気づくオルフェ。
 イングリットも善戦するが、キラたちにはかなわず、やられそうになり…今度はオルフェがその危機を救う。そこからようやく、キラ&ラクスとオルフェ&イングリットのガチ2vs2が始まる。
 何度かやりあい、オルフェが「イングリットをお前らに殺させたりしない」的な発言をして、キラたちが「定められた役割じゃなく、愛したいものを愛せる世界を一緒に目指そう」と戦闘をやめて和解。
 オルフェとイングリットはこれまでにしてきた償いを始め、キラたちは殺さなくても解決できることもある…という成果をもって、これからも頑張ろうってなれる…

 おそまつでした。

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