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今朝、フライパンで作るもの。

鉄のフライパンを買った。
手入れが面倒なそいつは使う度になじんでいく。
それはシェアハウスをすることになった同居人の花さんにも言える。
彼女は料理はしないのに、何故か鉄のフライパンにこだわって買った。
「鉄のフライパンで作るとおいしそうじゃん? それに知ってる? 鉄のフライパンで調理すると鉄分が自然と摂れるんだってさ」と。
フライパンでも食べるの? と私が茶化すと、彼女のボディーブローがポフっと私の脇腹に刺さる。

目玉焼きを焼けば焦がす花さん。
とりあえず、中華料理は油をたくさん使って火を強くすれば良いと思って、鍋から火が出ると驚く花さん。
餃子を作れば必ず皮が全てフライパンの底にくっつくマジックを見せる花さん。
それでも、彼女が試行錯誤する横顔に顔がとろけてしまう。
そんな普通で、どこかおかしい、愛おしい日々を描いたガールズラブ。
須藤菜々著:『今朝、フライパンでつくるもの。』

お題『テキトーなタイトルから内容を考える』あったらノベルズ様

【後書き】
多くは語らない。実は百合もの好きなんです。
できれば、エロシーンはないやつの方が好きですねー。生々しくない方が好きなんです。

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