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X-ADVを借りてみたら万能マシンだとおもったという話

(2022年1月に公開した文章をこちらに引っ越ししました)

現在使っているマシンのメイン機材(1150GS君)の調子が悪くなり、以前から気になっていたX-ADVを一日レンタルして200kmほど走ってきたので忘れないうちにレビューを残しておきたいと思います。
 私は、長年バイクに乗ってきて、ここ2年はリッターマシン2台と下駄として250CCスクータでぼちぼち走っている感じで、それらとの比較で書いています。 先月からリッターマシンの1台の調子が悪くなってしまい、そもそも300kgぐらあって重いし、足つきも悪いのでいつも乗るのに構えないといけないので、スクータを含めて2台を1台にまとめられないかというのも、DCT付きのマシンに興味がでてきている背景の一つです。
 1月後半の最も寒い時期ですが、2019年モデルのX-ADVをレンタルできるチャンスがあったので、借りて乗ってみました。

取り回し
 220kgぐらいで今の機材よりかなり軽く、取り回しは比較的ラクでした。 大きいスクーターではよく付属する機能ですが、パーキングブレーキがあって車体が動かないようにタイヤをロックできるので、坂道で駐車する場合に便利でした。

足つき
 172cmの身長ですが、シートに座わり両足をつけようとすると足の指ともう少しぐらいがつき、足つきが良い感じはありません。しかし、重い車両ではないですし、片足がべったり付くので不安は感じませんでした。当然ですが座ったままマシンを前後に動かすことはできませんでした。

操作
 DCTのニュートラルとDモード、Sモードの切り替えは、右手で簡単にできて迷うことはありませんでした。 馴れてきてマニュアルモードとオートモードの切り替えもやってみましたが、平地でもう一段ギアを高くしたいときに高くできますし、コーナーで低くしたいときに低くできます。いずれにしても速度が遅くなってくると、自動的にギアダウンしてくれてエンストしないので非常に便利だと思いました。 やはり、一般道を走る限り、信号、一時停止、渋滞は常にあるので、このような場面でクラッチ操作が要らないことは、いくらクラッチ操作を無意識にできる人であっても、疲れの軽減につながっていると思います。 左手操作の中でウインカーとホーンのスイッチが近いので慣れるまではよくホーンを鳴らしてしまいました。 21年モデルでは操作系が改良されているのでこの問題はなさそうです。

市街地走行
 DCTのおかげで、クラッチ操作から開放されますので、精神的に余裕が高まり安全度が上がっているように感じました。DCTのギクシャクも時折感じますが、不快ではありません。DCTの4輪車ももっていたことがありますが低速ではちょっとギクシャクしましたがそんな感じでした。
 足つきは決してよくないですが、片足でべったりついて停車できるし、車重が軽いし、低重心なので、問題は感じませんでした。
 Dモードで走るかぎり、十分なトルク感をもって、道の流れをリードできます。750CCですから十分過ぎるぐらい速く走れてしまいます。
 また、マフラーが上を向いているからなのか、排気音が心地よい感じで耳に届きます。

高速道路走行
 安定感に不安はありません。Dモードでも十分な加速力で合流したり、追い抜きができます。料金所からSモードで加速すると時速140−150ぐらいまではざっと加速できるので、時速120速度区間の追い抜きでも対応できると感じました。ただ、時速120kmぐらいからの追い抜きのための瞬発力はリッターマシンほどではなく、またエンジン回転数の伸び方から、速度余力は多くないように感じました。この辺がリッターマシンとの差を感じる点の一つです。通常の流れにのって、時々追い越しながら走るのには丁度いいと思いました。

ワインディング走行
 ニュートラルなハンドリングで不安は一切ありません。寒中で気温0−3度のときに走ったので急な操作を避けていたので、限界でどうなるかはわかりませんが、コーナーに向かって突っ込んでフルブレーキングをかけて寝かしていく、というときにクラッチ操作をしないでいいことは有利におもいました。トラクションコントロールやABSの評価はできませんでした。
 フロントの倒立フォークの剛性感は感じました。これはいいですね。
以前T-MAX500に乗っていたのですが、コーナー進入から切り返しなどの運動性能が抜群だったのですが、コーナー出口からの立ち上がりで、回転数が落ちてしまい400ccクラスのマシンに離されていきました。このX-ADVでは、Sモードもあるし、マニュアルモードも使えるのでこの辺は心配なさそうです。

DCTの感覚
 Dレンジで実用上不安感も過不足もないです。どの回転数からでも十分なトルクを発生してくれて、高い速度域から急にシフトダウンするような時は、MT車よりも良いと思いました。 信号の無い田舎道を流しているときはもう一段高いギアがあるほうがトルク変動は少なくて疲れ難いかもしれません。この点21年モデルのRainモードに期待したいです。

寒中でのグリップヒーターは必要
 寒い季節でグリップヒーターは非常に助かります。いや、もう必需品といえます。外気温0度だと最大の5にしていても手先から冷えがやってきます。冬用のグローブを使っていますが、特に手の甲の側の冷えが気になりました。この手の機種にはナックルガードがついていてハンドルバーエンドとつながっているので、ハンドルカバーを使えないのかと思いました。冷たい雨やみぞれぐらいの時はハンドルカバーは絶大ですから。 そういえば、もしハンドルカバーをつけられたとしても、ハンドル周りの操作ボタンが多くて目で確認しないといけないボタンもあるので、ハンドルカバーしてしまうと見えなくなると思いました。

燃費
 渋滞の市街地、流れている市街地、高速道路、ワインディングなど200km走行で平均リッター25kmぐらいでした。タンク容量は13リッターなので約350kmぐらいの航続距離です。まあ足りないことは無いけれども400km以上も航続距離のあるマシンと比べると、長距離ツーリングには、もう5リッター(=100km)あるとよりよいと思いました。

シート下の容量
 バイクでシート下に物を入れるスペースがあることだけで素晴らしいのですが、古い250CCのスクーターが64リッターものスペースがあることと比較すると小さく、日帰りツーリングの小物入れという感じで、宿泊やさらにキャンプには小さ過ぎて、リアボックスの装備が必要だと思いました。

総評
 市街地はとても気が楽で疲れないです。高速道路、ワインディングも十二分にバイクらしさを楽しめるとおもいます。リッターマシンよりも少しだけスロットルを開ける量を増やして走る感覚が残りました。この1台でほとんどの用途をカバーできるので、とても欲しいバイクになりました。 ただし価格が132万円で諸費用いれると140万円ぐらいになってしまいますね。
また、現在のコロナ騒動の影響で運搬や部品供給が追いつかず供給がかなり限定されているようです。

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