見出し画像

元祖アドベンチャーバイクと呼べるホンダ トランザルプ600Vが想定外に素晴らしかった話

(トップの写真はモーサイのWEBから引用させていただきました。https://mc-web.jp/archive/111334/ )

1990年過ぎだったと思うが、久しぶりに北海道にツーリングに行くためにバイクを買い替えようとあれこれしらべていたとき、ヤマハオートセンター府中店でみつけたのが、トランザルプ600Vだった。

白の大柄の車体で、アップライトの姿勢のマシンで、走りはどうなのかな、と思って、試乗させてもらったところ、低速からぐっとトルクがあり、中域までロケットのように加速するではないか。確実に750CCクラスの4気筒のスポーツマシンより中低速のトルクと瞬発力があった。これは良いということで早速36万円で購入し、北海道を堪能した。

それまでは、GPz900RとかNSR250などに乗ってきて、スポーツ系マシンこそがバイクだと思ってきたが、この機材に乗ってから、ツーリングには今でいうアドベンチャー系マシンが適しているな、と思うようになり色々乗り継いてきた。 
 トランザルプ600Vは、この排気量のオートバイとしては比較的軽量な部類で、ダートも走れることは走れるが、250クラスの軽量なオフ車には全く敵わないし、速度もスーパースポーツの様な超高速域には対応できないマシンであった。しかし、シート位置が少し高く、前傾にならない姿勢で乗れることで視界がよく、先を見渡せ、危険を予知し易いし、中低速トルクが潤沢で通常速度域で非常に使いやすかった。最高速も160ぐらいまでは問題なくでるので実用上は追い越しでも不都合はない。荷物も十分につめ、タンデムも可能。オフ車ジャンルでもあるので、傷と汚れを気にしなくて済むのが良かった。そして、このジャンルのマシンに乗っている人が非常に少なく気持ちが良かった。
 トランザルプにのっていると、さらに大柄でパリダカのラリー風の(旧)アフリカツイン750がめちゃくちゃかっこよく見え、とうとう750ccのRD04も手に入れてしまった。ただ、アフリカツインは、身長170ちょっとぐらいでは、脚付きは悪く、乗ったまま後退できず、重いマシンなので取り回しは悪かった。 正直にいうと、走りでも突出していたのはトランザルプ600Vであったと言っておこう。アフリカツイン750は100CCのエンジン容量が増えたものの重量はもっと重くなっており、トランザルプ600Vの軽快感はなくなっていて、峠での走りは少し鈍重であり、また、その重量ゆえにダートも走りにくくなったと感じた。


トランザルプ600V 国内限定300台

 つまり、1000CCクラスのアドベンチャーマシン、アフリカツインやバラデロ100クラスは、日常的に使うには大き過ぎるのだ。 さらに数年前から使っているBMWのR1150GSはさらに重く、走りは素晴らしく、取り回しの筋力維持、耐力維持の修行用としては非常に良い。

 なので1000CC越えのアドベンチャーではなく、トランザルプ600Vクラス、600−700CCのビッグオフ=中型アドベンチャーがでてくる気配があるので期待している。

 欧州にいくとトランザルプ700を街でよく見かけるが、あれがとても欲しいと思っているのだ。

パリではトランザルプをよく見た。


2023年に新しいトランザルプが発売された。日本で多く売れるとは思わないのだが、一度乗ってみようと思う。

アドベンチャーバイクとは。
 ライダーがアドベンチャーバイクに憧れるのはすごく当然だとおもう。堂々とした車体で、パワーがあって、オンロードだけでないオフロードも走れる旅、冒険のマシン、というジャンルはとてもよい。是非体験してほしいとおもう。
 そしてしばらく体験すると、日本では、この手のマシンを十分に走らせることのできるダートやオフロードがあまりないことに気がつく。旅先で小さな小道を見つけても、とても狭い道が多く、足つきも悪い重量級マシンでは、Uターンすらできず、降りて押して方向転換するという恐ろしく大変な体験をすることになる。このような体験を繰り返すうちに、日本では軽量なセローや、足つきのよいハンターカブクラスが本当にアドベンチャーバイクなのかもしれないなあ、と思うようになった。

では、ご安全に!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?