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35話目 社会党はなぜ崩壊したの?そして、未来になぜ左派は退潮するのか?が明確にわかる凄い本「戦後史のなかの日本社会党」が面白い。

リベラルはなぜうまくいかずに喧嘩ばかりしてるの?社会党はなぜ崩壊したの?そして、未来になぜ左派は退潮するのか?

これらが明確にわかる凄い本「戦後史のなかの日本社会党」が面白い。

20年前の中公新書です。おそらくキンドルで電子化されたので、再販もされないでしょう。

https://www.amazon.co.jp/戦後史のなかの日本社会党-その理想主義とは何であったのか-中公新書-原彬久-ebook/dp/B00LMB0EAW

私が社会党を研究するのは、なぜか?

簡単にいうと、「自民党研究」というのは結構あるんですが、どれも面白くないんです。

自民党は「成功者」だから。勝った政党というのは、勝った企業の社長の自伝や「過去の成功自慢」みたいなもので、あまり意味はありません。

栗本慎一郎さんの「自民党の研究」は実際に選挙で受かって、「自民党議員」になった新人議員「内部潜入ルポ」ですから非常に面白いですが政治学者の自民党分析は見事にどれも的外ればかりです。「ヤクザの親方派閥競争」に論理的分析なんぞいくらしても無駄なのと同じことです。「仁義なき戦い」そのものだからです。

しかし、負けた軍ーー敗戦側の「論理」を研究した本というのは、常に面白いのです。

日本軍の敗戦、そして、戦後はまさに「日本社会党」です。没落貴族の平家・落ち武者・負け組集団というのが、誰が読んでもわかります(笑)。

そして、社会党の外部から、「万年野党第一党」だった「社会党」を本格的に研究したり分析したりした本はあまりないのですね。社会党の中やシンパ筋からの本はあるのですが。

多くは、「社会党はあんな左翼思想だからダメだった!」こういうのは右派的な視点です。つまり、ポジショントークです。

逆に元社会党員の内側からは「社会党は良かった。でも党の指導部と末端が全く噛み合っていなかった」これも内側の内在的論理の視点でしかありません。

ずばり、なんで、「こいつら(社会党)」は、政権取れずに、平家=没落貴族になっちゃったのか。これが「勝つ」ためには、大事な視点です。勝ち方は人それぞれ違います。「普通の自民党員」にはなれないのです。

でも「社会党員(負け組=没落貴族)みたいにならないこと」は誰でも、戦後の歴史から学べるわけです。そして、そういう本は数少ないのですね。

おそらく、10年後には、「え、日本の政治ってソ連や北朝鮮みたいな社会主義政党が、野党第一党だったの?」という時代が普通になります。

ここで社会生態系視点から見る「社会党と共産党」の違いを簡潔に比較してみましょう。

=共産党は、野坂委員長時代を除いて、常に戦前・戦後ともに「内戦指導」政党です。内乱や動乱、反乱、「反戦平和」でも「護憲」なんでもいいですが、保守政党自民党を打倒せよ!戦前は官憲権力を打倒せよ!創価学会公明党を打倒せよ!こういう「戦術と話法」です。共産党も実は「国際派」と「一国社会主義派」と派閥があったのですが、片側の国際派路線は粛清されて、いなくなっちゃいました。今は「資本主義」内に、「敵」があまりいなくなっちゃったので、「大企業トヨタ」の内部留保を吐き出せ!とか中国共産党はあんなものは共産党の名に値しないファシズム政党だ!「他罰と打倒」の指導リーダーシップで継続的に党内部もわずかですが、独裁指導ができています。

一方で、社会党も左翼政党なので保守本流や政府中央と戦うという意味で「内戦指導者」的ではありますが、共産党とは根本的に違うところがあります。それはあくまでも「党内で揉める」ことが好きなのであって、これは非常に自民党と似ています。右派社会党員なんかはかなり自民党的なのですね。国民生活統合型生活指導者のリーダーですね。岸信介が社会党入党を希望していたのもよくわかります。

社会党が政権を取ることはなかったことがわかる一冊です。

(今後の展望)芸能界もまた、「ヤクザの派閥抗争」に似ていますが、リーダーシップといいのは、結局「若い新進気鋭の人に開かれている」分、やはり「明治維新的な王政復古」に近いはずです。・吉本組(大崎組)・オスカー・アミューズ・渡辺組・喜多川組(ジャニーズ)・堀組・バーニング・松竹などここらへんも調べてみると面白い。

いつの時代も盛者必衰ですね。

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