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きらめく一句を探すワークショップ〜2024夏〜に行ってきたよ

ごきけんようezotanuです!第2回が開催されたので今回も参加してきましたよ!
ざっくり言うと、みんなで句集を読んで好きな句をピックアップして感想を言い合う会です。

1回目の感想はこちら。


今回わたしが読んだ句集はこの2冊。



その中からわたしが選んだ5句は以下の句たちです。

ほらと言ふこゑに消えたり初蛍/山岸由佳

祖母宅の真横に川(本当に文字通り真横にある。窓を開けたら下は川)が流れていて、そこに毎年蛍が出るんです。子どものころはよく蛍の時期に泊まりにいって蛍を見てました。この句を読んでいるのはもっと広い場所なのかもしれないけれど、わたしが思い浮かべるのはその光景です。この句にあるのは初蛍だから、いっぱい光ってるんじゃなくて、ひとつだけ光が見えたんですよね。
わたしも「いま光った!ほらそこ!」と言われて見てもタイミング悪く消えちゃってなかなか見つけられなかったりもしたな〜、と。今もあの場所に蛍は出るんだけど、祖母が亡くなってしまってなかなかあの家に行かないので懐かしくなった句でした。たぶんもう蛍の季節には行けないんだろうな。

百合の花覗けば青き屍かな/山岸由佳

この百合は、棺の中の百合なのかなと思って。たいせつな人だった青き屍を見て、胸がぎゅっとして、つま先まで悲しみがしみわたってしびれてうまく動けないぐらい動揺している自分がいるんだけど、その自分も含めた光景を俯瞰で冷静に見ている自分がいるような気もする。どこか絵のような時間。

冬の星見つけてくれてそれを見る/斉藤志歩

「見つけてくれて」とあるのでここにいるのはふたりで。澄んだ冷たい空気のなか、白い息を吐きながらふたりで夜空を見上げて、「どこ…?」「ほら、あそこだよ。あの特に光っているあのみっつの星の延長線上にある…」「あ、わかった!」って会話してる。してるんです会話を(突然妄想の話を始めるezotanu)。寒いからふたり寄り添ってくれててもいい。
冬に星空を眺めるのって、寒いんだけど、その寒さも含めて楽しくないですか?(ガチ勢の観察じゃなくて、ライトなやつね…!)わたしは冬に星空を眺めるのが一番楽しいです。冬が待ち遠しいよ〜。

紐引いて橇の散歩は木の間ゆく/斉藤志歩

生まれは北の大地ezotanu。生後数年で内地へ引っ越し、長期休みになると生家である祖父母宅へ帰っていたのですが、冬に近所の大きい公園に遊びに行くときはたまに大人が子どもをソリに乗せて紐持って引いてくれるんですよ。父はわたしが乗ってるソリの紐を持って、わたしは後ろの弟が乗ってるソリの紐を持って、公園まで向かうんです(母も、わたし一人だけなら橇引いてくれる)。へとへとになるまで遊んだときなんかは、帰りはソリに乗って寝てたり。ソリ引いてもらうの大好きだったな〜。という思い出です。Myソリを持ってました。好きな滑り方はスキーより断然ソリ派です。

今これを書きながら改めて考えると、別にこの句は子ども乗せてるとは限らないか…!自分がソリをずるずる引きずってるパターンもありますね(犬の散歩じゃないけど、ソリの散歩)。大好きな記憶の方で思わず連想しちゃった。

戸を隔てシャワーの歌は二番に入る/斉藤志歩

一番サビ終わって歌い終わるんじゃなくて二番にまで突入するなんて、随分ご機嫌で楽しそうだな〜!と思いました。わたしもよくこれやってるので気持ちわかります。笑

わたし、湯船に入ってるときは「声聞こえちゃうな…」と思って歌わないんですけど、シャワーの音にかき消されるやろ!と思ってシャワー中はふんふん小声で歌います。むかし友人たちとホテルに一緒に泊まった時も歌ってたら、お風呂から出たら「歌うまいね」(これは嫌味ではなく本当にただの感想)と言われて、「えっっっ!?聞こえてる…だと……!?」とめちゃくちゃ驚いた思い出です。


他にもピンと来なくても気になるな〜と思ってピックアップした句などいろいろあったんですが、いざその中から5句選びましょうとなると、自分の経験と結びついて自分の気持ちを代弁してもらったような気持ちになる句を選びがちなんだな〜と気づきました。
句会で感想を話し合う時は5句のうち2句だけ出します。わたしが最終的に選んだ2句は最後の2句です。

今回気づいたのは、「今の気分で」句を選んでいくんですが、わたしの場合「今の気分」に「季節」があまり加味されてないんだなって…気づいて…!みんなで感想を言い合っているときに「夏だから冬の句はちょっと今じゃないなって」という感じの意見があって、それを聞いてようやくわたしは「えっ、そういえば今、夏だった……!!?」と季節のことをすっっっかり忘れていたことに自分で驚いて……!(その日は涼しかったからというのもある)
うっ、俳句……季語……季節…………ワァッ…………!(己に驚愕して頭を抱える)

まあそういう日もあるよねっ。(前回もそうでしたよ、ezotanuさん)

前回もそうだったんですが、句の感想を言い合うのが本当〜〜に楽しいです。
自分じゃ全然わからない句をわからないと言ってオッケーだし、人の感想を聞くことによって新たな光景が浮かぶようになる句もあって楽しい。自分ひとりじゃ見えてこないものがある。
特に育ったところの差で感じ方が全然違うのが面白いです。自分で過ごしていない場所の思い出を共有してもらえるのはうれしいな〜。

主催のとつきさん、参加者のみなさま、どうもありがとうございました!
次回も日程が合えばぜひ参加したいです。


余談
今回知ったこと
・沈丁花のビジュアル(参考
・加州巻き = カリフォルニアロール

またひとつかしこくなってしまったな…




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